- 【2026年6月銘柄入れ替え】マイクロンを新規採用しJPモルガンが除外に!
- 同じ10社集中投資ファンドであるFANG+、メガ10とは重複銘柄が増加傾向
- S&P10は「時価総額加重平均」と「信託報酬」で差別化!
- 採用の前提が「S&P500構成銘柄」であり、スペースXなど大型IPO企業の早期採用は困難
インデックスファンドの王道であるS&P500指数は🔎時価総額加重平均であるため、時価総額上位企業の比率がそもそも大きくなっています。
2026年6月末時点では、500社のうち上位10社の比率は35%程度です。
このトップ10社にだけ投資をする投資信託が、Tracers S&P500トップ10インデックス(米国株式)です。(以降はS&P10と省略します)
S&P10は年に1回、毎年6月に定期リバランスを行いますが、2026年のリバランス結果が6月23日に発表されました。
この記事では、オルカンやS&P500といった王道インデックスから一歩踏み出し、さらなるリターンを求めて「集中投資型ファンド」を検討する際、どのファンドを選ぶべきか迷っている方に向けて、S&P10の近況を掘り下げて解説します。
【2026年6月】S&P500トップ10定期リバランス
S&P500トップ10指数は、毎年5月の最終営業日を基準日として、毎年6月の第3金曜日の取引終了後に銘柄の🔎定期リバランスを行います。
2026年6月19日に実施されたリバランスでは、今回の銘柄入れ替えは1銘柄と発表されました。
新規採用:マイクロン・テクノロジー(情報技術セクター)
除外銘柄:JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー(金融セクター)
◆リバランス前後の構成銘柄と比率の変化

引用元:アモーヴァ・アセットマネジメント株式会社 S&P500トップ10指数の銘柄入替について
JPモルガンが除外されたことにより、S&P10における金融セクターの構成銘柄は、投資会社であるバークシャー・ハサウェイのみとなっています。
一方で、情報技術セクターの構成比率は、61.5%へと上昇しています。
10社集中投資|S&P10・FANG+・メガ10
S&P10を検討する上で避けて通れないのが、同じく米国株の超大型・集中投資型ファンドである「FANG+」と「メガ10」です。
基本スペックの比較
まずは3つのファンドの基本スペックを一覧表で比較してみましょう。
| 項目 | Tracers S&P500トップ10インデックス | iFreeNEXT FANG+インデックス | ニッセイ・S米国グロース株式メガ10インデックス |
| 設定日 | 2024年5月16日 | 2018年1月31日 | 2025年11月4日 |
| 銘柄数 | 10社 | 10社 | 10社 |
| ウエート方式 | 時価総額加重平均 | 均等投資 | 均等投資 |
| 信託報酬(年率) | 0.10725% | 0.7755% | 0.385% |
| 純資産総額 | 79,085百万円 | 1,330,344百万円 | 60,287百万円 |
1.3兆円超という圧倒的な規模を誇る「FANG+」を、後発の「S&P10」と「メガ10」が低コストを武器に追随している構図です。
メガ10は半分、S&P10にいたっては7分の1程度まで手数料を抑えているものの、依然として純資産総額には圧倒的な開きがあり、先行して市場を開拓したFANG+の実績と人気が浮き彫りになっています。
構成銘柄10社の比較
次に、具体的にどの銘柄に投資しているのかを確認します。
| 銘柄 | S&P10 | FANG+ | メガ10 |
| エヌビディア | ○ | ○ | ○ |
| アマゾン | ○ | ○ | ○ |
| マイクロソフト | ○ | ○ | ○ |
| グーグル | ○ | ○ | ○ |
| メタ | ○ | ○ | ○ |
| ブロードコム | ○ | ○ | ○ |
| アップル | ○ | ○ | |
| マイクロン | ○ | ○ | |
| テスラ | ○ | ○ | |
| バークシャー・ハサウェイ | ○ | ||
| パランティア | ○ | ||
| ネットフリックス | ○ | ||
| イーライリリー | ○ | ||
| ビザ | ○ | ||
| マスターカード | ○ |
エヌビディア、アマゾン、マイクロソフト、グーグル、メタ、ブロードコムの6社は、どのファンドを選んでも共通となっています。
他に、アップルとマイクロンはS&P10とFANG+で重複、テスラはS&P10とメガ10で重複しています。
そのため独自の銘柄は、各ファンド10社のうち1~3社のみとなっています。
設定時と比べて重複銘柄が増える傾向にあり、銘柄選定における独自性や差別化の要素は、年々薄れているのが現状です。

S&P500トップ10の独自性
構成銘柄の重複が進む一方で、実際に投資信託としてのリターンや運用効率を分けるのは「構成比率」と「保有コスト」です。
S&P500トップ10の構成比率
最大の違いは、FANG+とメガ10は「10銘柄に10%ずつ均等投資」であるのに対し、S&P10は時価総額加重平均を採用していることによる構成比率の違いです。

引用元:アモーヴァ・アセットマネジメント株式会社 S&P500トップ10指数の構成銘柄の見直し
時価総額加重平均では、巨大企業の比率が大きくなります。
時価総額トップ3のエヌビディア・マイクロソフト・アップル、この3社がS&P10に占める割合は実に49.3%と、ほぼ半分です。
一方でFANG+とメガ10は、リバランス時点では10社が10%ずつの均等になります。
信託報酬の低さ
この「時価総額加重平均」という仕組みは、投資信託を保有する上で最も重要な「信託報酬の低さ」にも直結しています。
均等投資を採用しているファンドは、株価の変動によって崩れた比率を定期的に「10%ずつ」に戻すため、銘柄を売り買いするリバランスコスト(取引費用)が発生します。
これがFANG+(0.7755%)やメガ10(0.385%)が高めにとどまる構造的な理由です。
一方で、時価総額加重平均を採用しているS&P10は、市場の価格変動にそのまま比率を任せるため、売買コストは入れ替え時だけの最小限で済みます。
この運用の効率性の高さが、年0.10725%という業界トップクラスの圧倒的な低コストを実現できている最大の理由です。
スペースX(SPCX)がS&P10に組み入れられない理由
2026年6月12日、宇宙開発企業「スペースX(ティッカー:SPCX)」がナスダック市場に上場を果たし、市場の大きな話題を呼びました。
これを受け、全世界株式(オルカン)やナスダック100インデックスなどの主要な指数は、この巨大銘柄を相次いで早期採用しています。
一方で、S&P500指数への採用(およびS&P10への組み入れ)は現時点で見送られています。
S&P500には、単に時価総額が大きいだけでなく「4四半期連続で黒字であること」といった基準など、保守的で慎重な採用基準が設けられているためです。
まだ赤字企業であるスペースXの、特例による採用を検討していると報道されたこともありましたが、結果的に採用は見送られています。
「S&P500の構成銘柄」という前提を満たせないため、S&P10においても、しばらく構成銘柄に組み込まれない結果となりました。
これはスペースXに限った話ではなく、今後上場が期待される「オープンAI(OpenAI)」や「アンソロピック(Anthropic)」といった、次世代の超大型IPO企業が誕生した際にも、まったく同じ対応になります。
S&P500にとってもS&P10にとっても、これが吉と出るか凶と出るかはわかりませんが、他ファンドとの大きな差別化要因となりそうです。
✅主要インデックスファンドの「スペースX」採用方針についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

まとめ|最安コストで10社集中投資!
Tracers S&P500トップ10インデックス(米国株式)は、S&P500の中でも特に企業価値の高い10社に、低コストで集中投資できる魅力的なファンドです。
同じく10社集中投資であるFANG+やメガ10と重複銘柄は増えているものの、構成比率は時価総額加重平均で、独自性は維持されています。
ただし、S&P500を上回るリターンが期待できる反面、分散効果はほぼなく、大型ハイテク株への集中リスクには注意が必要です。
ポートフォリオのコアには広く分散されたオルカンやS&P500を据えつつ、サテライト枠として『程よい割合』で組み込むのが、集中投資型のファンドと付き合う最適解と言えます。

【重要事項】 当記事は、各投資信託に関する情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の勧誘を目的としたものではありません。投資には元本割れのリスクや、市場の変動、為替レートの変動等により損失が生じる可能性があります。また、過去の運用成績は将来の運用成績を保証するものではありません。最終的な投資判断はご自身の責任において、十分な情報に基づいて行ってください。
