- 2026年10月、TOPIXの改革が本格始動!
- 新規採用は35銘柄|マクドナルド、ワークマン、タイミー、GOなど
- 除外候補となる「移行措置銘柄」は683銘柄
- 株主還元強化など除外候補の今後のIRに注目!
日本の株式市場の代表的な指数である『TOPIX(東証株価指数)』は、従来の市場区分とのひも付けを廃止し、「流動性」を重視した改革へと舵を切っています。
2026年10月から始まるとされていたその改革が、ついに動き出しました。
2026年10月30日実施の定期入替における選定結果として、「スタンダード市場」「グロース市場」から新たにTOPIXの仲間入りを果たす「新規採用銘柄」と、反対に除外対象の候補となる「移行措置銘柄」が、発表されています。
本記事では、FP2級・証券外務員の視点から、今回の発表のポイントと、注目すべき銘柄についてわかりやすく解説します。
✅TOPIX改革の全体像や「1,000銘柄以下へのスリム化」といった概要については、こちらの記事で詳しく解説しています。

【一覧】TOPIXの構成銘柄となる「新規追加銘柄」
今回の発表で最も市場の注目を集めているのが、スタンダード市場やグロース市場からTOPIXへ採用される「新規追加銘柄」です。
以下の35銘柄が新たにTOPIXの構成銘柄となります。
| No. | コード | 銘柄名 | 市場区分 |
| 1 | 1723 | 日本電技 | スタンダード |
| 2 | 1965 | テクノ菱和 | スタンダード |
| 3 | 2160 | ジーエヌアイグループ | グロース |
| 4 | 2702 | 日本マクドナルドホールディングス | スタンダード |
| 5 | 2782 | セリア | スタンダード |
| 6 | 2805 | エスビー食品 | スタンダード |
| 7 | 4107 | 伊勢化学工業 | スタンダード |
| 8 | 4478 | フリー | グロース |
| 9 | 4588 | オンコリスバイオファーマ | グロース |
| 10 | 4816 | 東映アニメーション | スタンダード |
| 11 | 4966 | 上村工業 | スタンダード |
| 12 | 5161 | 西川ゴム工業 | スタンダード |
| 13 | 6227 | AIメカテック | スタンダード |
| 14 | 6366 | 千代田化工建設 | スタンダード |
| 15 | 6613 | QDレーザ | グロース |
| 16 | 6736 | サン電子 | スタンダード |
| 17 | 6777 | santec Holdings | スタンダード |
| 18 | 6834 | 精工技研 | スタンダード |
| 19 | 6890 | フェローテック | スタンダード |
| 20 | 6960 | フクダ電子 | スタンダード |
| 21 | 7287 | 日本精機 | スタンダード |
| 22 | 7564 | ワークマン | スタンダード |
| 23 | 7716 | ナカニシ | スタンダード |
| 24 | 7806 | MTG | グロース |
| 25 | 7906 | ヨネックス | スタンダード |
| 26 | 8117 | 中央自動車工業 | スタンダード |
| 27 | 8508 | Jトラスト | スタンダード |
| 28 | 9436 | 沖縄セルラー電話 | スタンダード |
| 29 | 141A | トライアルホールディングス | グロース |
| 30 | 186A | アストロスケールホールディングス | グロース |
| 31 | 215A | タイミー | グロース |
| 32 | 290A | Synpective | グロース |
| 33 | 485A | パワーエックス | グロース |
| 34 | 581A | GO | グロース |
| 35 | 593A | ティアフォー | グロース |
引用元:TOPIX等の株価指数における構成銘柄の定期入替等について | 日本取引所グループ
マクドナルドやワークマン、セリア、トライアルなどおなじみの飲食店・小売店に加えて、タイミー(隙間バイト)、MTG(ReFaやSIXPADなどの美容機器)、GO(タクシー配車アプリ)といった、ここ数年で私たちのライフスタイルに深く浸透した企業が名を連ねています。
プライム市場ではないものの、成長を続けていて、ある程度規模の大きな企業が採用されている点は事前予想の通りです。
しかし伊勢化学工業(ペロブスカイト)やティアフォー(自動運転)、そしてアストロスケール(宇宙ゴミ除去)といった、最先端のテーマ性はあるものの、まだまだボラティリティが大きい銘柄の採用が目立っている点は「意外」という印象です。
新規採用銘柄の株価への影響は
今回、新たにTOPIXの構成銘柄に選ばれた企業には、今後どのような株価の動きになるのでしょうか。
最も期待されるのは「パッシブファンド(インデックスファンド)による機械的な買い需要」です。
- 巨額の資金が強制的に流入する
TOPIX(東証株価指数)に連動して運用を行うインデックスファンドや年金資金は数多く存在します。これらのファンドは、TOPIXの構成銘柄が変わると、それに合わせて保有する株の比率を機械的に調整(リバランス)しなければならないため大きな買い需要が発生します。 - 実際の実施日(10月30日)に向けた思惑買い
新規採用が発表されたことにより、インデックスファンドによる実際の買い付けに先駆けて、「事前に組み入れ分を仕込んでおこう」という機関投資家や個人投資家の思惑買いが入りやすくなります。
このように、TOPIXへの新規採用で、資金流入による株価の上昇や流動性の向上に繋がりやすいと考えられます。
TOPIX除外候補、「移行措置銘柄」の傾向と特徴
新規採用銘柄がある一方で、今回のTOPIX改革の厳しい現実も浮き彫りになっています。
段階的ウエイト低減の対象であり、実質的に除外銘柄候補といえる『移行措置銘柄』には、なんと「683銘柄」におよぶ企業が選定されています。
これらの移行措置銘柄を俯瞰してみると、斜陽産業や成熟産業、あるいは過去には注目を集め一時代を築いた企業が多い傾向は見て取れます。
しかしながら、単純に「オワコン」のように感じる銘柄だけではなく、現在も頻繁に名前を聞くような有名企業も数多く含まれています。
683銘柄と数が多いためここでは一覧は載せませんが、TOPIX等の株価指数における構成銘柄の定期入替等について | 日本取引所グループに掲載されています。
除外候補となった有名企業
「683銘柄」という膨大な数を見ると、どうしても業績不振の企業ばかりが集まっているように思われがちですが、今回のリストを詳しく見ていくと、「あの安定企業が?」と目を疑うような誰もが知る有名企業も多く含まれています。
① 飲食チェーン店
かっぱ寿司、あみやき亭、一風堂、幸楽苑、いきなりステーキ、松屋
② 小売店・サービス
オークワ、ラムー、ゼビオ、キャンドゥ、KeePer技研、ミニストップ、ブックオフ、ハードオフ、ハニーズ、スタジオアリス、ぴあ
③ メーカー系
タマホーム、三井製糖、不二家、エステー、J-オイルミルズ、ゼンリン、オリオンビール
④ 地元交通、地銀
三重交通、神奈川中央交通、神戸電鉄、筑波銀行、清水銀行、北日本銀行
⑤ WEB系
ぐるなび、クックパッド、GMOインターネット
他には沖縄電力やテレビ東京といった大企業も含まれています。
「移行措置銘柄」の一覧の中では、ミニストップやイオン北海道、日産車体といった親子上場企業も目につきます。
これは親会社が大部分の株を保有していることで浮動株の割合が小さく、流動性が高くなりにくいためと考えられます。
移行措置銘柄の今後
「移行措置銘柄」に指定されたからといって、直ちにTOPIXから外されて株価が急落するわけではありません。
JPX(日本取引所グループ)が設定した移行措置期間は、企業側にとって「市場からの評価を得るための猶予期間」でもあります。
この期間内に企業側がどのような対策を打ってくるかが、今後の株価や投資家からの評価を大きく左右します。
- 積極的なIRと株主還元(増配・自社株買い)の強化
株価の低迷を打破するため、増配や自社株買い、優待拡充といった株主還元策を急ピッチで打ち出してくる企業が増えることが予想されます。 - 浮動株比率の引き上げと組織再編
政策保有株(持ち合い株)の売却を進めて市場に流通する「浮動株」を増やしたり、親子上場の解消に踏み切ったりすることで、基準クリアを目指す動きが加速するでしょう。
個人投資家の目線では、移行措置銘柄に指定された企業の中から、株価が急騰するお宝銘柄を探し出すのも1つの戦略です。
単に「除外候補だから」と敬遠するのではなく、企業側が生き残りをかけてどんな改善策を発表するのか、今後のIRや株主総会にも注目していきましょう。
まとめ|TOPIX改革による指数価値の向上
これまでのTOPIXは、「一度指数に入れば、よほどのことがない限りそのまま残り続ける」という構造的な課題を抱えていました。
その結果、売買がほとんど行われていない閑散銘柄までもが指数に含まれ、指数全体の成長力を損ねる要因となっていたのも事実です。
しかし今回の改革によって、「売買の活発さ(流動性)」という明確なルールのもとで銘柄数が厳しく絞り込まれ、定期的な入れ替えが行われる仕組みが整いました。
TOPIXの投資先としての価値が大きく高まる絶好の改革であると言えます。
今後TOPIXのさらなる成長が楽しみですね!

【重要事項】 当記事は、各投資信託に関する情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の勧誘を目的としたものではありません。投資には元本割れのリスクや、市場の変動、為替レートの変動等により損失が生じる可能性があります。また、過去の運用成績は将来の運用成績を保証するものではありません。最終的な投資判断はご自身の責任において、十分な情報に基づいて行ってください。
