- 月内偏差値で見ると、基準価額は「1日〜5日(月初)」が最も安い
- 月末の積立設定日は、12月分が翌年のNISA枠にずれ込むリスクも
- 結論:安くなる特定の日は存在しないため、1日でも早い積立設定が合理的
新NISAで「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の積立投資を行う際、何日に積立設定をするのか迷う人も多いと思います。
本記事では、設定来(2018年10月)から約8年間の基準価額データをもとに、積立設定日による違いを検証しました。
「平均的に価格が安かった日」と「実際に積み立てた場合のリターン」のデータをまとめたので、設定日の参考にしてみてください。
✅eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の国別構成比率や通貨分散についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

積立設定日はいつがいい?
毎月同じ日に自動で注文を行うのが積立設定です。
特に、新NISAの『つみたて投資枠』では、原則この積立日を設定する必要があります。
同じ金額を投資する以上、買い付ける際の基準価額は当然「少しでも安い日」の方が、より多くの口数を購入できるため有利になります。
では、1ヶ月の中で「この日は価格が安くなりやすい」といった傾向は存在するのでしょうか。
本記事ではオルカンが設定された2018年10月から約8年間(全営業日)の基準価額データを抽出し分析してみます。
【データ検証】全期間で最も基準価額が安いのは『20日』
まずは2018年10月から約8年間の、各日付の平均基準価額をまとめます。
約8年間のデータを集計した結果、平均基準価額の最高値と最安値は以下の通りになりました。
- 最高値:3日(平均 19,961.1円 / 営業日回数 52回)
- 最安値:20日(平均 18,694.8円 / 営業日回数 61回)
※基準価額は営業日だけ算出されるため、土日や祝日は含まれません。そのため各日付の出現回数にも差があります

最も高かった3日と最も安かった20日では、平均で約1,266円の差が生じていることがわかります。
データに偏りが出る理由
一見すると「20日に買えばいいのでは」と思えますが、この結果にはデータ集計上の偏る理由が存在します。
①営業回数が少ない日付は振れ幅が大きい
3日(52回)や31日(33回)のように、営業日が少ないと平均値がブレやすくなります。
「31日」はそもそも無い月がありますが、「3日」については年始や憲法記念日、文化の日など祝日が多いため営業日が少なくなっています。
②相場上昇に伴う「高値圏・安値圏の平日」の偏り
オルカンの基準価額は、長期で見れば右肩上がりで成長しています。価格が高くなった直近の期間において、土日祝日が重なり営業数が少なかった場合、高値のデータが反映されにくくなり、全期間の平均値が押し下げられる(=安く見えてしまう)という偏りが生じます。
月内の価格差(偏差値)で検証
全期間の単純平均では「20日」が最安という結果でしたが、ここには「カレンダーの偏り」の影響が大きくなっていました。
そこで、各月ごとの価格の波を公平に評価するため、「月内偏差値」を算出しました。
その月ごとの平均値を50とし、50より数値が低いほど「その月の中で安かった日」、高いほど「高かった日」を意味します。この方法であれば、相場全体の変動による歪みを排除した安さの傾向が分かります。
オルカン設定以来の全データ(約8年間・95ヶ月分)を対象に算出した、全31日間の偏差値ランキングは以下の通りです。
| 順位 | 日付 | 平均偏差値 (低いほど安い) | 対象回数 |
| 1位 | 1日 | 42.61 | 60回 |
| 2位 | 4日 | 44.24 | 60回 |
| 3位 | 2日 | 45.17 | 59回 |
| 4位 | 3日 | 45.98 | 52回 |
| 5位 | 5日 | 46.03 | 61回 |
| 6位 | 7日 | 46.69 | 67回 |
| 7位 | 6日 | 46.82 | 63回 |
| 8位 | 8日 | 47.31 | 66回 |
| 9位 | 11日 | 47.32 | 56回 |
| 10位 | 10日 | 48.77 | 65回 |
| 11位 | 9日 | 49.05 | 63回 |
| 12位 | 14日 | 49.73 | 63回 |
| 13位 | 12日 | 49.86 | 62回 |
| 14位 | 13日 | 50.35 | 64回 |
| 15位 | 21日 | 50.78 | 61回 |
| 16位 | 18日 | 50.88 | 64回 |
| 17位 | 15日 | 50.93 | 64回 |
| 18位 | 23日 | 51.20 | 49回 |
| 19位 | 17日 | 51.68 | 66回 |
| 20位 | 19日 | 51.85 | 65回 |
| 21位 | 16日 | 52.09 | 64回 |
| 22位 | 22日 | 52.42 | 64回 |
| 23位 | 24日 | 52.52 | 62回 |
| 24位 | 26日 | 52.57 | 66回 |
| 25位 | 20日 | 52.64 | 61回 |
| 26位 | 27日 | 52.86 | 67回 |
| 27位 | 28日 | 53.08 | 66回 |
| 28位 | 25日 | 53.25 | 66回 |
| 29位 | 29日 | 53.34 | 56回 |
| 30位 | 31日 | 53.99 | 33回 |
| 31位 | 30日 | 54.37 | 60回 |
偏差値で集計し直した結果、単純平均の時とは異なる傾向が浮かび上がりました。
- 1位〜5位を「月上旬(1日〜5日)」が独占
- 25位〜31位に「月末(20日・25日〜31日)」が集中
- 単純平均で1位だった「20日」は偏差値52.64(25位)と、むしろ高い側に位置する
このように「月初が安く、月末が高い」グラデーションになる理由は至ってシンプルで、オルカンが長期的・継続的に右肩上がりで成長し続けているからです。
同一月内であっても、世界株全体の上昇トレンドにより「月の後半に行けば行くほど価格が上がりやすい」という性質があります。
結論として、「1日が必ず最安になる」とは限りませんが「月初の早い日を選ぶ」という戦略には過去データ上の根拠があるといえます。
S&P500などの全米株式インデックスでも同様に検証したところ、同じく『月初が有利』という結果になっています。
カード決済などの「買い付け日の制限」がある場合はどうする?
データ上は「1日(月初)」が最も安くなりやすいという結果が出ましたが、実際の積立設定では「自由に日付を選べないケース」も存在します。
特に、ポイント還元率が高く人気の「クレジットカード決済による積立(クレカ積立)」などでは、証券会社ごとに買付日が指定・固定されていることが多いからです。
筆者が利用している楽天証券では、クレジットカード決済の場合はポイント還元がある一方で、積立日は『毎月8日』に限定されます。
今回検証した月内の価格差(偏差値の違い)は、長期的に見ればポイント還元率(0.5%〜1.0%前後など)や投資効果の誤差で十分に相殺できるレベルです。
無理に「1日指定」にこだわって、証券会社を変更したり、クレジットカード以外で購入する必要はないといえます。
月末の積立日はNISA枠がずれ込むリスクも
NISA口座の積立設定日を月末にすることには、基準価額以外にも注意点があります。
それは「受渡日の年跨ぎ」です。
NISA口座の年間利用枠は、注文日や約定日ではなく「受渡日」ベースで管理されます。
オルカンのような海外資産を含むファンドは注文から受渡まで数営業日のタイムラグがあるため、12月末の積立分は受渡日が翌年1月へズレ込んでしまうケースが発生します。
以下の画像は2025年末の、オルカンの注文画面です。
2025年12月24日が注文日ですが、受渡日は2026年1月5日になっています。

年末年始の休業日と米国の祝日(クリスマス)があることで、受渡日までの期間が長くなっています。2025年12月の場合、24日やそれ以降の積立設定日だと、2026年分のNISA枠を使用することになりました。
このように月末付近の積立設定には、「その年のNISA枠を使い残したまま失効する」「翌年のNISA枠を意図せず圧迫する」といったリスクがあるので、積立設定日を22日以降にするのは避けた方が無難といえます。
逆に「翌年の成長投資枠を1日でも早く埋めたい」という視点であれば、オルカンの場合は、2026年分は12/24の注文が最速でした。

まとめ|積立日は『1日でも早い日』がいい
オルカンの積立設定日について、設定来(約8年間)のデータから導き出された結論は以下の通りです。
- 月内偏差値で検証すると「1日〜5日(月初)」が最も安い
- 各月の価格差を比較すると、安値ランキングの1位〜5位を「月上旬」が独占する結果になりました。反対に「月下旬」は明確に下位寄りになっています。
- 右肩上がりの相場では「早く買った人が勝つ」
- 世界株全体が長期的に成長し続ける以上、同一月内であっても「月の後半に行くほど価格が上がりやすい」のが原則です。
「特定の日に安くなりやすい」といった傾向はなく、シンプルに早い方が安いという結果になりました。
オルカンのような上昇トレンドに乗る投資信託においては、1日でも早い日に積立設定を行うのが最も合理的な選択といえます。
本記事はオルカンを対象に解説していますが、人気の高いeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)などのインデックスファンドでも同様の検証結果となっています。
【重要事項】 当記事は、各投資信託に関する情報提供および基準価額データに基づく積立設定日の検証を目的としたものであり、特定の金融商品の勧誘を目的としたものではありません。投資には元本割れのリスクや、市場の変動、為替レートの変動等により損失が生じる可能性があります。また、過去の運用成績やデータの集計結果は将来の運用成績を保証するものではありません。最終的な投資判断はご自身の責任において、十分な情報に基づいて行ってください。
