- 楽天証券で単元未満株を売買できるサービス『かぶミニ』を実践!
- ミニ株の買い方や約定の注意点、スプレッドについて解説
- メリット:値嵩株を保有できる、投資初心者でも少額から挑戦しやすい
- デメリット:金額が低いからと安易な売買判断は危険
東証市場に上場する株式は、基本的に100株で一単元となっており、100株単位で売買されます。しかし近年は「単元未満株」として1株から売買できるサービスが普及し始めています。
楽天証券においても、iSPEEDから手軽に1株単位で投資ができる『かぶミニ』というサービスが提供されています。
単元未満株自体を、一般的に「ミニ株」といいます。
楽天証券による単元未満株取引サービスの名称が『かぶミニ』です。
筆者自身は、これまで100株単位の売買しかしていませんでした。手数料や約定の仕組みが不透明なイメージがあったためです。
今後、株価が高い「値嵩株(ねがさかぶ)」をポートフォリオに組み入れる際などにミニ株の活用を検討しようと、実際に取引を行ってみました。
本記事では、実際にiSPEEDで注文してみてわかったスプレッドの実態や、指値・成行を使い分ける際の注意点など、実戦的なポイントを解説します。
本記事内の解説画像は2026年4月時点の、楽天証券の株取引アプリ『iSPEED』を参照しています。
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楽天ミニ株(かぶミニ)の注文ルールと注意点
楽天ミニ株は1株単位で購入できるサービスですが、通常の単元株(100株単位)での取引とは異なる独自のルールがいくつか存在します。
まずは「注文タイミング」「価格制限」「コスト」という3つの重要なポイントを確認しておきましょう。
注文時間帯のタイミング
楽天ミニ株の取引において、まず注意すべきなのが「いつ注文し、いつ約定するか」という時間帯のルールです。単元株とは異なり、注文を出すタイミングによって約定の仕方が大きく2種類に分かれます。

前営業日の17:00から、夜間や休日を挟み当日の8:45までは寄り付き価格での成行注文のみ可能です。
東証市場の取引時間である9:00~11:30と、12:30~15:25の時間帯はリアルタイム注文となり、成行以外に指値注文も可能です。
通常の単元株の売買と比較すると、寄り付き前に指値を入れておけない点や、注文自体できない時間帯があることに注意が必要です。
例:以下は平日8:30頃の注文画面ですが、「成行」から変更することはできず、さらに指値注文はできないことが記載されています。

この画面で、特定口座・NISA口座の変更は可能です。
指値の制限(上下1%ルールと有効期間)
楽天ミニ株が単元株取引と違う点の2つめは、指値注文のルールです。
単元株取引の場合は「指値の制限」といえば、東証が定める「制限値幅(ストップ高・ストップ安)」で、この範囲内であれば自由に指値を入れられます。
しかし、楽天ミニ株の場合は「市場価格の上下1%以内」という狭い範囲でしか指値が認められていません。

通常の株取引と比べると若干不便ではありますが、あくまでミニ株の指値は「今の価格付近で、スプレッドを考慮しながら確実に拾うためのもの」と考えるのが正解です。
さらに指値注文の有効時間に違いがあり、たとえば前場の注文は、前場が終わると約定できず失効します。
スプレッド(実質的な手数料)
3つめの違いとして、最も重要な「かぶミニのスプレッド」が挙げられます。
これは楽天証券が単元未満株取引の実質的な手数料として、0.22%を価格に上乗せして徴収する仕組みです。
※楽天証券公式サイトには「手数料は無料で、手数料と別にスプレッドあり」との記載ですが、スプレッド=実質的な手数料と考えて差支えありません

時間外に注文した「寄付取引」の場合に限り、スプレッドなしとなります。
リアルタイム注文の場合にはスプレッドが発生し、注文方法によって以下のように取得価額が決まります。
- 成行注文の場合: 「現在の市場価格 + 0.22%」の価格で取得します。
- 指値注文の場合: 「現在の市場価格 + 0.22%」が、自分の出した指値以下になったら約定します。このとき取得価額は「指値の値」となります。
楽天証券が「現在の株価=仕入れ価格」に、0.22%のスプレッドを上乗せして投資家に転売するイメージです。
スプレッドも含めた価格が「取得価額」となります。
例えば、成行にしても指値にしても、株価10,000円のタイミングで購入した場合は、取得価額は10,022円ということになります。
これは売却時も同様で、10,000円で売りたい場合は市場価格は10,023円になる必要があります。
もし10,000円のときに売却すると、手元に残るのはスプレッドを差し引かれた9,978円です。
この「0.22%のズレ」をあらかじめ計算に入れて注文を出さないと、いつまでも約定しない、あるいは想定より高く買ってしまうといったことが起こります。
【実践】iSPEEDでのミニ株の買い方
ここからは、実際に楽天証券のiSPEEDを使って「かぶミニ」で注文を出す手順と、その際に表示される「約定目安」について解説します。
iSPEEDを開いたら、検索やお気に入りから、以下の銘柄情報画面を表示します。

右上の「注文」もしくは、銘柄名の下の「かぶミニ」をタップすると、
『かぶミニ(単元未満株)買い』『かぶミニ(単元未満株)売り』と表示されますのでここから売買できます。
今回は『かぶミニ(単元未満株)買い』に進んでみます。
成行注文しかできない時間帯
成行注文しかできない時間帯の場合、購入株数を入力できますが株価は指定できません。
あとは特定口座かNISA口座かを選択できます。

株数に応じて、株価×株数で『概算約定代金』が計算されます。
※前述の通り寄付で約定させる場合はスプレッドはありません
時間外に注文する場合、この「株価」は、前営業日の終値や現在の気配値であるため、実際に約定する金額とは大きく異なる可能性があります。
「約定目安」を確認しながら指値設定
次は場中に「指値注文」したいときの買い方です。
指値を選択して金額を入力する際、画面には「現在の東証価格」と「スプレッドも考慮した約定の目安」が表示されます。

一例として、こちらは任天堂株が市場では8,633円で取引されているタイミングです。
かぶミニの価格は「現在買付可能価格」として8,653円と表示されています。
この場合、指値ですぐに購入したいのであれば、指値は8,653円以上にする必要があります。
・8,653円で購入する場合、0.22%でおよそ20円のスプレッドが発生
8,653円-20円=8,633円
・もしくはスプレッドを差し引いた0.9978で現在の株価を割り戻すと、端数切り上げし
8,633円÷0.9978=約8,653円
実際は注文の入力中にも株価が上下するため、注文確定時点での株価で約定するかしないか判定されます。
以上のことから注意点として、現在の株価で買い指値注文を入れる場合、スプレッドの分まで株価が下がらないと約定しないため、「いつまでたっても購入できない」ことになる可能性があります。
約定したら、通常の単元株取引と同様に約定照会や注文照会で履歴を確認することができ、スプレッドも上乗せした取得価額で保有した状態になります。
ミニ株のメリットとデメリット
最後に、ここまでの解説を踏まえてメリットとデメリットをまとめます。
メリット①値嵩株(ねがさかぶ)をポートフォリオに組み込める
1単元で100万円以上必要な銘柄でも、数万円から保有できる点は最大のメリットです。株価の高さから手を出なかった銘柄も、投資先として選択肢になります。
メリット②分散効果を高める
ミニ株を活用することで、限られた予算でも多くの業種や銘柄に分散することができます。
メリット③投資初心者が少額から個別株に挑戦できる
最初から数十万円を投じるのは勇気がいりますが、数千円であれば「まずは買ってみる」という第一歩が踏み出しやすくなります。もし値下がりしてしまっても、少額であれば落ち着いて対応することができるはずです。
デメリット①スプレッドによるパフォーマンスへの影響
購入時と売却時にそれぞれ0.22%のコストが発生します。長期であれば影響は埋没しますが、確実にパフォーマンスを押し下げます。
デメリット②安易な投資判断と「無計画なナンピン」
少額のため投資判断が安易になり、とりあえず買ってしまったり、本来なら損切りすべき局面でもナンピン(買い増し)してしまう危険があります。ミニ株でも積み重ねれば金額は大きくなるため、売買するたびに慎重な投資判断が必要です。
まとめ:ミニ株で投資の選択肢が広げるのはアリ
単元未満株のことは以前から知っていましたが、「始値や終値でしか買えない」「手数料が高い」といったイメージを持っていました。
今回、楽天証券のかぶミニで初めてミニ株を購入してみて、思いのほか通常の売買と変わりはないと感じています。
もちろん単元株取引が王道であることに変わりはありませんが、幅広く分散投資したり、値嵩株を無理なく購入できる点はミニ株ならではの武器です。
もし私と同じように、食わず嫌いで単元未満株を遠ざけているのであれば、コストを許容した上で活用することで投資の選択肢が広がります。
【重要事項】 当記事は、単元未満株の売買に関する情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の勧誘を目的としたものではありません。投資には元本割れのリスクや、市場の変動、為替レートの変動等により損失が生じる可能性があります。最終的な投資判断はご自身の責任において、十分な情報に基づいて行ってください。


