- 設定日からの1ヶ月の実績は、メガ10が+2.6%、FANG+が-1.7%でメガ10が優位
- 10銘柄中6銘柄は共通しており、短期間の差は数社の個別株の値動きが大きく影響
- 優劣は銘柄入れ替えも含め数年単位で判断する必要がある
- メガ10とFANG+を半分ずつ保有する戦略も、バランスの良い選択肢になり得る
2025年11月に登場した話題の新ファンド「ニッセイ・S米国グロース株式メガ10インデックスファンド<購入・換金手数料なし>(愛称:メガ10)」。
設定日(11月4日)から1ヶ月が経ち、人気の「iFreeNEXT FANG+インデックス」とどちらが強かったのか気になる人も多いはずです。
この記事では、
- メガ10とFANG+の1ヶ月実績を比較
- 成績差の背景となる銘柄の動きを解説
- さらに「半分ずつ買う戦略」を検証
このような点を整理し、今後の投資判断に役立つ情報を紹介します。
メガ10の基準価額・資産総額の推移
11月4日からの1ヶ月間で、メガ10の基準価額はどのように推移したのでしょうか。
ここでは全営業日の基準価額と騰落率をまとめています。
全営業日の基準価額と騰落率
メガ10の基準価額と資産総額は、設定から1ヶ月間でどのように推移したかを確認してみましょう。
下の表は、全営業日の基準価額、騰落率、資産総額の一覧です。
| 日付 | 基準価額(円) | 11/4からの騰落率 | 資産総額(円) |
|---|---|---|---|
| 2025/11/4 | 10,000 | 100.00% | 1,000,000 |
| 2025/11/5 | 9,942 | 99.42% | 994,190 |
| 2025/11/6 | 10,078 | 100.78% | 1,697,595,253 |
| 2025/11/7 | 9,878 | 98.78% | 2,274,082,591 |
| 2025/11/10 | 9,835 | 98.35% | 2,593,990,925 |
| 2025/11/11 | 10,127 | 101.27% | 2,953,151,101 |
| 2025/11/12 | 10,108 | 101.08% | 3,443,631,410 |
| 2025/11/13 | 10,123 | 101.23% | 3,449,045,923 |
| 2025/11/14 | 9,868 | 98.68% | 4,290,302,684 |
| 2025/11/17 | 9,859 | 98.59% | 4,751,763,806 |
| 2025/11/18 | 9,879 | 98.79% | 6,719,276,230 |
| 2025/11/19 | 9,748 | 97.48% | 7,984,410,317 |
| 2025/11/20 | 9,984 | 99.84% | 8,686,512,992 |
| 2025/11/21 | 9,847 | 98.47% | 9,001,354,697 |
| 2025/11/25 | 10,223 | 102.23% | 10,097,134,985 |
| 2025/11/26 | 10,331 | 103.31% | 10,617,364,317 |
| 2025/11/27 | 10,348 | 103.48% | 11,513,063,346 |
| 2025/11/28 | 10,396 | 103.96% | 12,303,260,813 |
| 2025/12/1 | 10,382 | 103.82% | 12,286,305,149 |
| 2025/12/2 | 10,261 | 102.61% | 13,841,639,376 |
メガ10は設定時の基準価額10,000円を上下しながら、最低9,748円まで下落、最大10,396円まで上昇し、12/2時点では設定日を上回る結果となりました。
資産総額は設定直後から順調に増加していて1ヶ月で約138億円となっています。投資家からの資金流入が活発で、ファンド規模の拡大が見て取れます。
メガ10とFANG+|1ヶ月の騰落率を比較
メガ10とFANG+の1ヶ月騰落率の動きを、グラフで確認してみましょう。

日ごとの上下の動きは、メガ10もFANG+もほぼ同じでした。しかしメガ10の方が好成績な日が多く、終始FANG+の上を行っています。
12/2時点で、メガ10は11/4から見て2.61%のプラス、FANG+は1.67%のマイナスとなりました。
この1ヶ月だけを見ると、どちらが強いかというとメガ10が優位であったことがわかります。
メガ10とFANG+|1ヶ月の個別銘柄比較
ここでは上記のパフォーマンス差を掘り下げるため、メガ10とFANG+の固有銘柄4社(計8社)の値動きを見ていきます。
前提として以下の点に注意してください。
- 為替の影響は両ファンドとも同じため、差の要因にはなっていません。
- 残りの6社(エヌビディア、マイクロソフト、アマゾン、グーグル、メタ、ブロードコム)は両ファンドで共通であり、パフォーマンス差への影響は限定的です。
- ただしFANG+は、11/4時点で10社の比率が均等ではなく、リバランス後の値動きによって若干の偏りがあります。
この前提で、各固有銘柄の11/3終値から12/1終値までの騰落率を比較してみましょう。
※設定日の基準価額10,000円(11/4)は、前日の株価である11/3終値をもとに算出されています
メガ10固有の4銘柄
まずはメガ10の4銘柄です。
11月はイーライリリーの連騰が目立ち、1ヶ月で約18%もの値上がりです。他の3銘柄は下落しているものの、決済事業2社も大きく崩れずに耐えています。
| 銘柄名 | 11/3終値 | 12/1終値 | 騰落率 |
|---|---|---|---|
| イーライリリー | 896.53 | 1,057.89 | +17.98% |
| マスターカード | 553.31 | 543.97 | -1.68% |
| ビザ | 336.90 | 330.39 | -1.95% |
| テスラ | 468.37 | 430.14 | -8.19% |
FANG+固有の4銘柄
次にFANG+の4銘柄です。
こちらもメガ10と同じく上昇1社、下落3社という結果でした。サービスナウが1ヶ月で約10%値下がりし、足を引っ張る形になっています。
| 銘柄名 | 11/3終値 | 12/1終値 | 騰落率 |
|---|---|---|---|
| アップル | 269.05 | 283.10 | +5.25% |
| ネットフリックス | 110.00 | 109.13 | -0.80% |
| クラウドストライク | 551.92 | 504.13 | -8.64% |
| サービスナウ | 913.84 | 822.07 | -10.06% |
短期での差は数銘柄の影響が大きい
両者の差は、特にイーライリリーの上昇とサービスナウの軟調がパフォーマンスに大きく影響していました。
メガ10とFANG+のパフォーマンス比較は、実質的には個別株数社の値動きを比較していることになります。
10社に均等投資するうちの6社が共通であるため、やはり短期間でどちらが優れているかを判断するのは難しく、結局のところ銘柄入れ替えも含めた、数年の実績を注視する必要があります。
メガ10とFANG+を半分ずつ買うとどうなる
現時点でどちらが優れているかを判断することはできませんが、来年のNISA枠も含めて投資戦略を考える中で、ひとつの選択肢としてメガ10とFANG+を半分ずつ購入する方法があります。
- 手数料負担を緩和
FANG+の割高さを緩和。値動きによる保有割合の変動はあるものの、それぞれの手数料の平均で、年間およそ0.5803%に。 - 銘柄比率のバランス
リバランス時に、共通銘柄は10%ずつ、固有銘柄は5%ずつになります。両方に採用されている銘柄に重点を置き、他の銘柄と差別化されます。
メガ10のうち決済事業2社の被りは懸念点ですが、合計比率を10%に抑えられます。 - 値動きの安定感
基本的な値動きは両投資信託の間で推移することに。
注意点として、結局は集中投資になるため分散効果はほぼ期待できません。また、今後の銘柄入れ替えによっては方針の再検討が必要になります。
中途半端な戦略ともいえますが、半分ずつの組み合わせは意外とバランスが良い印象です。
心理的にも購入・保有しやすくなるようであれば、選択肢の1つではないでしょうか。
まとめ|メガ10優位も、短期ではあくまで参考程度
設定からの1ヶ月の実績では終始メガ10が優位という結果でした。資産総額も問題なく増加していて、順調なスタートと言えるでしょう。
しかし、この期間のFANG+との差は、数社の個別銘柄の値動きによるもので、今後も1社・2社の急騰や急落で状況は大きく変わり得ます。FANG+との優劣を判断するには、数年単位の長期視点が必要になります。
現時点では、投資する場合もポートフォリオの一部でと考えていますが、FANG+だけではなく同額程度のメガ10の保有は、バランスの良い選択肢かもしれません。
短期の騰落に一喜一憂せず、銘柄構成やリバランスのルールも踏まえて、中長期で戦略を考えることが重要です。
【重要事項】 当記事は、各投資信託に関する情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の勧誘を目的としたものではありません。記事内の内容や筆者の見解はあくまで個人的な意見であり、最終的な投資判断はご自身の責任において、十分な情報に基づいて行ってください。投資には元本割れのリスクや、市場の変動、為替レートの変動等により損失が生じる可能性があります。また、過去の運用成績は将来の運用成績を保証するものではありません。



