2025年12月25日、ニッセイ・S米国グロース株式メガ10インデックスファンド(愛称:メガ10)において、定期的な構成銘柄の見直しとリバランスが実施されました。
メガ10のコンセプトである「上位10社」はこの期間中に変動がありましたが、既存銘柄が一定順位以内に収まっていたため、銘柄の入替はありませんでした。
一方で、指数のルールに基づき、構成比率を等金額に調整するリバランスは実施されています。
この記事では、今回のメガ10インデックスのリバランスがどのような基準で行われたのか、また投資家としてどのように受け止めればよいのかを、初心者向けに整理していきます。
メガ10は定期リバランスを実施
メガ10は、連動対象となる指数のルールに基づき、毎年3月・6月・9月・12月に構成銘柄の見直しと構成比率の調整(リバランス)を行います。
2025年12月の定期見直しにおいても、このルールに沿って確認が行われました。
その結果、構成銘柄の入替は行われなかったものの、均等比率になるよう調整が実施されています。
これは指数の仕組みに基づいた通常の運用であり、特別な対応や臨時の変更が行われたわけではありません。
今回の見直しで何が変わったのか
2025年12月の定期見直しでは、メガ10インデックスを構成する10銘柄自体に変更はありませんでした。
エヌビディアやマイクロソフトなど、これまで組み入れられていた銘柄が引き続き採用されています。
| 企業名 | 業種 | 概要 |
|---|---|---|
| マイクロソフト | 情報技術 | 人工知能やクラウドなどの技術革新を通じて、生産性向上に貢献するソフトウェアの世界最大手。 |
| エヌビディア | 情報技術 | 機械学習やデータセンター、ゲーム分野などで利用されるGPU(画像処理演算装置)を製造。 |
| ブロードコム | 情報技術 | 半導体およびインフラソフトウェアの設計・開発・供給を行う企業。 |
| アルファベット | コミュニケーション・サービス | 世界最大の検索エンジン「Google」を傘下に持つ、デジタル広告業界の最大手。 |
| メタ・プラットフォームズ | コミュニケーション・サービス | 人工知能や没入型テクノロジーの開発を通じて、人々のつながりを構築する企業。 |
| アマゾン・ドット・コム | 一般消費財・サービス | 小売事業やクラウドサービスを展開する、世界的なリーディングカンパニー。 |
| テスラ | 一般消費財・サービス | 電気自動車や発電・蓄電製品の設計、製造、販売を行う企業。 |
| ビザ | 金融 | 世界最大規模の決済ネットワークを提供する企業。 |
| マスターカード | 金融 | クレジットカードやデビットカードなどの決済システムを提供。 |
| イーライリリー | ヘルスケア | 医薬品の研究・開発・製造・販売を行う医薬品会社。 |
一方で、各銘柄の構成比率については、指数のルールに基づき調整が行われました。
メガ10インデックスは、10銘柄を均等比率で保有する仕組みのため、株価の変動によって生じた比率のズレを定期的に調整します。
そのため、見た目上は「何も変わっていない」ように見えても、指数の内部ではリバランスが実施されており、構成比率は調整されています。
メガ10のリバランスの仕組み
メガ10インデックスは、設定日時点では10銘柄をすべて均等な比率で組み入れる仕組みになっています。
最初は均等ですが日々の各銘柄の値動きによって、構成比率には差が生じます。
株価が大きく上昇した銘柄は構成比率が高くなり、値下がりした、あるいは上昇が小さかった銘柄は構成比率が低くなります。
そこで定期的に行われるのがリバランスです。
上昇して比率が高くなった銘柄を売却し、相対的に比率が低くなった銘柄を購入することで、再び均等な構成比率に調整されます。
設定日である11月4日から12月の期間では、イーライリリーやGoogleが値上がり上位で、逆にエヌビディアやAmazonは値下がりしています。
この場合はイーライリリーやGoogleを売却し、エヌビディアやAmazonを購入することで調整されます。
こうした調整によって、10銘柄が均等比率になるよう調整されます。
この調整はあらかじめ定められた指数のルールに基づいて機械的に行われるものであり、個別銘柄の将来性を判断して売買しているわけではありません。
銘柄が入れ替わらなかった理由
2025年12月の定期見直しでは、メガ10インデックスを構成する銘柄の入替は行われませんでした。

引用元:ニッセイ・S米国グロース株式メガ10インデックスファンド 構成銘柄の見直し・リバランスのご報告
単純に順位だけを見ると、ネットフリックスが10位に入り、代わりにマスターカードが11位になっています。
メガ10インデックスでは、利益成長率や売上高成長率などをもとに成長性で候補を絞り、その中で時価総額上位の銘柄が選定されます。
しかし頻繁に銘柄を入れ替えていると、入れ替えコストなどで非効率になってしまいます。既存の構成銘柄については13位以内にとどまっていれば、引き続き組み入れられる仕組みがあります。
今回の見直しではマスターカードは13位以内だったため、銘柄の入れ替えは実施されませんでした。
リバランスに対する考え方
今回のメガ10のリバランスは、指数のルールに基づいて行われた定期的なものであり、特別な出来事があったわけではありません。
特定の銘柄への偏りが大きくなりすぎないように、定期的に均等比率に調整することを目的としています。
なお、次回の構成銘柄の見直しおよび構成比率の調整(リバランス)は、2026年3月に予定されています。
メガ10のリバランスに対する個人的な視点
メガ10のリバランスについて、少し考えさせられる点もあります。
「時価総額の上位10社」を選んだにもかかわらず、価格上昇によって時価総額が高まった銘柄は売られ、反対に時価総額が低下した銘柄は買い増されるという点です。
これにはやや矛盾も感じてしまいます。
もっとも、メガ10が均等比率で構成される指数である以上、ルールとして当然の調整でもあります。
こうした特徴を理解したうえで、メガ10を「成長銘柄に集中しつつも、定期的にバランス調整が行われる商品」としてどう捉えるかが重要です。
まとめ|2025年12月のメガ10のリバランス
2025年12月に実施されたメガ10の定期見直しでは、時価総額順位に変動はあったものの、既存銘柄はいずれも13位以内に収まっていたため銘柄の入替は行われませんでした。
メガ10で実際に銘柄の入替が起こるのは、主に次の2つのケースです。
- 時価総額順位が13位を下回り、入替条件に該当した場合
- 成長性の評価基準を満たさなくなり、投資候補銘柄群から除外された場合
今回はいずれにも当てはまらなかったため「順位は動いたが、構成銘柄は維持される」パターンとなりました。
いつ初めての銘柄入替となるかは分かりませんが、メガ10の将来の成長に期待しながら見守りましょう。
【重要事項】 当記事は、各投資信託に関する情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の勧誘を目的としたものではありません。記事内の内容や筆者の見解はあくまで個人的な意見であり、最終的な投資判断はご自身の責任において、十分な情報に基づいて行ってください。投資には元本割れのリスクや、市場の変動、為替レートの変動等により損失が生じる可能性があります。また、過去の運用成績は将来の運用成績を保証するものではありません。

