新NISA制度が始まって1年経過しました。
数ある投資信託の中でeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)、通称オルカンを購入している人も多いでしょう。
- 最近の利回りは?
- 地域別、国別、通貨別の構成比率は?
- 代表的な組入銘柄は?
- 日本のどんな企業が含まれる?
こういった情報を中心に、本記事ではオルカンの最新状況をまとめています。
出典:eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | eMAXIS(イーマクシス)
2024年 基準価額の推移

まずは2024年1月からの基準価額の推移です。
1月4日に20,756円だった基準価額は、1年間で27,686円になりました。
最も大きな下落は7月11日から8月6日の期間で、下落幅としては27,282円が22,688円まで下がっています。16.8%の下落です。
この期間だけ見れば、100万円投資している人にとってはおよそ17万円のマイナス、1,000万円であれば170万円のマイナスだったということになります。
参考に、同じ期間の他の人気投資信託では、S&P500は17.4%、ナスダック100は22.4%、FANG+は25.9%の下落となっています。
この中では比較的、オルカンの下落は緩やかでした。
それでも10%~30%程度の下落はこれから何度も起こりますし、避けることはできないので、心の準備はしっかりとしておきましょう。
2024年全体としては、2023年に続いて最高の利回りとなりました。
構成比率と組入上位銘柄
ここからは2025年1月25日の最新目論見書で、オルカンの中身を見てみます。
地域別、国別の構成比率

地域別、国別の構成比率はこのようになっていて、従来と大きな違いはありません。
この比率を初めて見たという人はポイントだけ押さえておきましょう。
- オルカンの3分の2は米国株
- オルカンの10%が新興国(そのうち半分が中国とインド)
- 日本株は5%程度
過去には新興国にロシアが含まれていましたが、ウクライナ侵攻によって2022年3月に除外されました。こうしたメンテナンスを実施してくれる点も、安心感がありますね。
組入上位通貨の比率

国別の構成比率とほぼリンクしますが、通貨の比率としてはこのようになっています。
米国株のみのS&P500と比べて、通貨の分散が効いているところはオルカンの強みと言えます。
代表的な組入銘柄

オルカンの投資先のうち上位10社とその比率です。
説明不要かもしれませんが5位はフェイスブック、6位7位はグーグル、8位はTSMCですね。
比率を足し算してみると上位3社だけで12.3%、上位10社で21.5%を占めています。オルカンは全世界3,000銘柄に分散投資されているとはいえ、これらの大企業の株価の影響を大きく受けます。
オルカンを100万円買うと、エヌビディアやアップルの株を4万円分買っていることにもなるわけですね。
オルカンの中の日本株
オルカンの日本株は主に「MSCIジャパン・インデックス」採用企業に投資されています。この中にはどんな日本企業が含まれるのか、興味がある人も多いでしょうか。
オルカンの5%を占める日本株の中で、構成比率が高い順にまとめます。
構成比率2%以上 | トヨタ自動車、三菱UFJ、日立、リクルート、キーエンス、ファストリ、ソフトバンク、NTT |
1.5%~2.0%未満 | 伊藤忠、東京海上、信越化学、KDDI、三菱商事、東京エレク、中外製薬、任天堂 |
1.0%~1.5%未満 | 三井物産、みずほ、第一三共、JT、三菱重工、ホンダ、HOYA、デンソー、アドバンテスト |
0.8%~1.0%未満 | セブン&アイ、キヤノン、武田薬品、オリラン、富士通、MS&AD、三菱電機、日本郵政、 |
これ以降の比率でも150銘柄程度に幅広く投資されています。
一番大きいトヨタでおよそ6%、次いで三菱UFJが3.5%、日立が2.5%の比率です。
身近な日本企業にもしっかりと分散投資されていますね。
まとめ:引き続き安定のオルカン
今回はオルカンの中身を見ていきました。
米国のみの投資信託と比べるとパフォーマンスは見劣りする感もあるオルカンですが、しっかりと成長しています。
「全世界」とはどのように分散されているのか理解した上で、今後も長期投資を続けていきましょう!