投資に興味がある人なら、「元本保証で必ず儲かる」投資先がないかと考えたことがあるかもしれません。
しかし現実にはこのような都合の良い投資先はなく、リターンを得るためには必ずリスクがあります。このことを理解していない投資初心者が、投資詐欺に引っ掛かってしまうケースは後を絶ちません。
本記事では、投資詐欺でよくある3つの手口と、その見分け方を解説します。投資初心者でも安全に資産運用を始めるための必読ガイドです。
よくある投資詐欺の手口3選
SNSを使った投資詐欺は、X(旧Twitter)やマッチングアプリ、迷惑メールなど、きっかけはさまざまです。
しかし、投資詐欺の最終的な目的は大きく分けて次の3つに集約されます。いずれも「初心者でも簡単に儲かる」と思い込ませ、実際にはお金をだまし取る仕組みになっています。
「元本保証」と「高すぎる利回り」で投資させる
これが最も典型的な投資詐欺です。元本保証や高すぎる利回りをうたって出資させ、資投資初心者の出資金をだまし取ります。
単純に出資金を奪い取るだけの詐欺だけではなく、さらに手の込んだ手法の「ポンジスキーム」があります。
ポンジスキームとは
ポンジスキームは実際に運用を行うことはありませんが、投資家から集めた出資金の一部を「配当金」や「利益」として還元するふりをします。例えば、100万円集めたうちの5万円や10万円を一度還元するのです。
なぜ詐欺師がそんなことをするかというと、実際に利益を手にした投資家はスキームを信用し、誰かに紹介したり、さらに投資額を増やしたりするからです。
こうして新たな投資家から資金を集め、還元を繰り返すことで一見利益が出ているように見せますが、実際に利益を生み出しているわけではありません。
最終的に詐欺師は、投資額が膨らみきったところで全額を持って逃げてしまいます。
ありえない高利回りの見分け方
こうした投資詐欺の見分け方は簡単です。そもそも投資に「元本保証」と「高利回り」の両立はありえませんので、「必ず儲かる」は確実に詐欺です。
投資には必ずリスクがあり、だからこそそれに見合ったリターンがあるのですが、投資の知識がないと「必ず儲かるなら・・」と騙されてしまいます。
利回りについても、投資詐欺でよく見かける「月利5%」「年利100%」は現実の投資ではありえません。
【高すぎる利回りの水準は?】
一般的な株式投資の「高配当株」で、配当利回りは年間5%前後です。人気のインデックスファンドであるS&P500でも、長期的な平均リターンは年利5~15%程度となっています。
ところが月利5%となると、年利換算でおよそ80%に達します。つまり100万円を投資すれば、1年後には180万円になる計算です。これは通常の投資では、特に低リスクで実現できるものではなく、非現実的な水準といえるでしょう。
投資初心者を釣るためにあからさまな高利回りをうたっていますが、元本保証であれば年利10%すらありえない利回りです。
高額の情報商材を売りつける
有料の投資情報商材やオンラインセミナーも、よくある投資詐欺の手口です。
「これさえ読めば必ず儲かる」「秘密の銘柄を教えます」といった宣伝文句で、数万円〜数十万円の高額商材を販売するケースがあります。
SNSが入口であれば、DMで個別に勧められたり、グループチャットに誘導されてから「みんな買っている、儲かっている」かのように見せられて売りつけられます。
商材を購入させた時点で詐欺師の目的は完了です。
仮に「この手法で勝てなかった」と苦情を言っても、追加でさらに高額な商材やセミナーを売りつけられるだけです。高額の投資情報商材は詐欺、と覚えておきましょう。
SNSで勝てる株、高騰する株を教える「仕手株」
仕手株とは、一部の投資グループが株価を人為的に操作して急騰させ、利益を得る手法です。
SNSや投資コミュニティでは「この株は必ず上がる」「今が仕込みどき」などと情報が拡散されますが、多くは仕手筋(仕手株を仕掛けるグループ)による意図的な仕掛けです。
初心者が「これから上がる株だ」、「ほかの人はまだ知らない情報」と信じて飛びつくと、同時に仕手筋は株を売り抜けることが多く、結果的に高値づかみをして大きな損失を抱えてしまいます。
仕手筋のアカウントは、まず推奨銘柄が的中しているかのように投稿を積み上げていきます。
・上がった銘柄を後から紹介
・紹介していないのに「紹介した銘柄が上がった」と投稿
・いくつも紹介しておいて上がらなかった投稿は削除
・引け後の好IRを見てすぐに紹介し、翌営業日の値上がりを「的中した」と投稿
・サクラのアカウントから「推奨銘柄で稼げました!」と投稿
こうしたことをくり返しながら、あたかも的中率が高いかのようなアカウントを作っていき、投資初心者を騙す準備をします。最終的にDMやグループチャットに誘導され、特別に教えられる銘柄が「高値掴みさせたい銘柄」というわけですね。
この仕手株は必ず損をするとは限りません。早めに購入して、仕手筋と同じようなタイミングで売却することができれば大きな利益を得る可能性もあります。
「高騰させた後に急落させる銘柄を無責任に紹介する」というのが本質といえます。直接的にお金を取られるわけではないので、被害に遭ったと感じにくいのもポイントです。
投資詐欺の共通点と見抜き方
初心者が被害に遭わないための見分け方・見抜き方のポイントは次の通りです。
- 元本保証で高利回りの投資先を紹介
投資には必ずリスクがあるため、元本を保証しつつ高い利回りを出すことは不可能です。 - 誰でも稼げる手法を販売
再現性があって、短期間で誰でも稼げる手法は存在しません。もしあれば多くの人がすでに実践しているはずです。 - 必ず上がる銘柄情報を教える
「この銘柄を買えば絶対に利益が出る」という話も信じてはいけません。投資は未来の値動きが不確実なため、確実に儲かる方法は存在しません。
このように、言い方はどうあれ「リスクなく必ず儲かる方法を教える」という時点で絶対に詐欺と覚えておくことが大切です。
投資詐欺に遭ったかも?と思ったら
もし「怪しい」と感じたり、実際に投資詐欺の被害に遭ってしまった場合は、一人で抱え込まず専門の窓口に相談しましょう。
金融庁 金融サービス利用者相談室
「詐欺的な投資に関する相談ダイヤル」
受付時間:平日10:00~17:00(電話受付)
※ウェブサイトでは24時間受付
電話(ナビダイヤル):0570-050588
証券取引等監視委員会 情報提供窓口
(証券取引等監視委員会事務局 市場分析審査課情報処理係)
直通:0570-00-3581
被害に遭った直後であれば、振込先ややり取りの記録など証拠を残して相談することが大切です。
まとめ:投資詐欺にだまされないために
投資詐欺は、あらゆる手段で金融リテラシーの低い投資初心者を信用させようと仕掛けてきます。嘘の実績やサクラの意見を信じ込んでしまう初心者も少なくありませんが、短期間で必ず大きく稼げる手法は現実には存在しません。
こうした投資詐欺にだまされると「必ず勝てる」どころか「高確率で資産を減らす」ことになってしまいます。
現実的な投資法では、勝てる確率が高いとしても、利幅は非常に小さい(銀行預金やアービトラージ取引など)か、長い時間がかかる(インデックス投資や債券など)のが普通です。
「元本保証・高利回り・必ず儲かる」という言葉を見たら疑ってかかりましょう。金融リテラシーや投資知識を身につけ、リスクとリターンを理解し、地道に資産を増やす方法を選ぶことが重要です。