【楽天SCHD】分配金込み実績をS&P500と比較|差が出た理由は?

資産運用・投資
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この記事の結論
  • 楽天SCHDとS&P500の実績の差は、投資先セクター構成の違いが原因
  • 高配当株中心でディフェンシブ寄りの銘柄が多く、成長セクター比率は低め
  • 成長重視ならS&P500への乗り換えも選択肢だが、1年の成績だけで売買判断は早計か
  • 安定的な分配金と増配を重視するなら楽天SCHDを長期保有する価値あり

楽天・シュワブ・高配当株式・米国ファンド(四半期決算型)『愛称:楽天SCHD』は、2024年9月の設定から1年が経過しました。

注目の高配当投資信託として1年間で1,700億円超の資金を集めている楽天SCHDですが、期待ほどの伸びはなく、保有者としては「このまま持ち続けるべきか、それとも別の投資信託に切り替えるべきか」と迷ってしまう人も多いでしょう。

しかし、安定した分配金や今後の増配を重視するなら、楽天SCHDの長期保有は十分選択肢となります。

新NISAで大人気の投資信託『eMAXIS Slim米国株式(S&P500)』とは騰落率に大きな差があり、両投資信託の月次レポートを比較すると、成績に差が出た理由が見えてきます。

本記事では、FP2級・証券外務員一種の資格を持つ筆者が、楽天SCHDの実績が伸び悩んでいる原因について解説します。

実績の引用元:
楽天・シュワブ・高配当株式・米国ファンド(四半期決算型)月次レポート
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)月次レポート

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楽天SCHDとは?|米国高配当ETFに投資

『楽天SCHD』は、米国の高配当株式ETFである「シュワブ・米国配当株式ETF(SCHD)」に投資する投資信託です。

SCHDは米国の高配当利回り銘柄で構成されており、配当収益の確保と中長期的な値上がりを目指しています。

楽天SCHDは四半期ごとに分配金を支払うタイプで、分配月は2月・5月・8月・11月で、それぞれ25日が決算日です。

分配利回りは4%前後が期待され、米国の課税後でも3.6%と、安定した配当収入を狙う投資家に人気があります。

2024年9月20日に設定され、資金流入は1週間で100億円を超えるなど、設定時にはかなりの話題となった米国高配当投資信託です。

楽天SCHDの、分配金の実績や受け取りについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

1年間の実績|分配金込みの成績は物足りない?

そんな話題の投資信託『楽天SCHD』ですが、設定からの1年間の実績はやや伸び悩む状況となっていて、S&P500連動の人気投信eMAXIS Slim米国株式(S&P500)と比べると、その差は歴然です。

以下の表は、2025年9月30日時点の騰落率について、月次レポートをもとに比較しています。

期間 (9/30時点)楽天SCHDeMAXIS Slim米国株式(S&P500)
1年+2.5%+22.4%
6か月-0.3%+19.4%
3か月+6.5%+11.2%
1か月-0.4%+3.9%

※楽天SCHDの騰落率は、分配金再投資基準価額をもとに算出しています

どの期間で見てもS&P500の成績を大きく下回っていて、1年間の実績はS&P500の+22.4%に対して、楽天SCHDは+2.5%にとどまっています。

同じ米国株式に投資しているのにもかかわらず、このように楽天SCHDがS&P500を大きく下回った理由はなんでしょうか。

ポイントになってくるのは「業種別構成比」、つまり投資先となるセクターの違いです。

米国市場のセクター別騰落率

直近1年間の米国市場は、トランプ関税など一時的な下落要因もありましたが、全体としては大きく成長しました。そんな中でも、セクター別に見てみると成績には大きな差があります。

次の表は、1年間(11/12時点)における11種のセクター別の、騰落率を示したものです。

セクターと順位1年間騰落率
1位 通信サービス+28.9%
2位 情報技術+27.1%
3位 公益事業+13.4%
4位 一般消費財・サービス+10.0%
5位 金融+7.7%
5位 資本財・サービス+7.7%
7位 ヘルスケア+2.5%
8位 生活必需品-0.9%
9位 不動産-4.3%
10位 エネルギー-4.5%
11位 素材-4.9%

引用:TradingView — S&P500業種別株価

表を見ると、情報技術や通信サービスセクターは1年間で大きく成長しており、米国市場全体の成長を牽引しています。

逆に生活必需品、不動産、エネルギー、素材セクターはマイナス成長で、セクターによって成績に大きな差が出ていることがわかります。

このセクター別に見たときに、楽天SCHDとS&P500には、投資先の割合に大きな違いがあります。

楽天SCHDとS&P500のセクター構成を比較

次に、楽天SCHDとS&P500の投資先セクター比率を確認します。

以下の表は、1年間の成長率順にセクターを並べたうえで、両投資信託の投資先上位5業種の投資割合を示しています。

セクター(1年間の騰落率順)楽天SCHD割合S&P500割合
1位 通信サービス9.2%
2位 情報技術35.7%
3位 公益事業
4位 一般消費財・サービス
5位 資本財・サービス12.3%5.8%
6位 金融9.4%11.0%
7位 ヘルスケア16.1%8.8%
8位 生活必需品18.5%
9位 不動産
10位 エネルギー19.3%
11位 素材

※投資比率が5位以下のセクターは「ー」としています

S&P500は、成長率2位の情報技術に35.7%、1位の通信サービスに9.2%と高い比率で投資しています。さらに、資本財・サービス(5位)、金融(6位)、ヘルスケア(7位)の投資割合も高く、1年間で大きく成長したセクターに偏って投資していることがわかります。

一方、楽天SCHDは生活必需品・ヘルスケア・エネルギーなど、伸び悩んでいるセクターの構成比率が大きいとわかります。
成長率としては11業種中7位、8位、10位の業種に、53.9%を投資していることになります。

このように、楽天SCHDとS&P500のパフォーマンス差の大部分は、投資先セクターの構成比率の違いに起因しています。

楽天SCHDは売るべきか持ち続けるべきか

楽天SCHDとS&P500は、投資先セクター比率の違いが原因で実績に大きな差が出ました。しかし短期的な成績だけで売買判断をしてしまうのはやや焦りすぎです。

そもそも楽天SCHDは「配当収益の確保と中長期的な値上がり」を目標にしていて、高配当株を中心に投資しています。

そのため投資先セクターが限定され、その結果、短期的なパフォーマンスはS&P500に比べ控えめになっています。

ポイントを整理すると以下の通りです:

高配当株に投資するという大前提
・配当や値動きが安定したディフェンシブ寄りの銘柄が多くなる
・成長セクター(情報技術や通信サービスなど)は配当が少なため比率は低くなる

短期の成績で優劣は決まらない
・今は通信サービスや情報技術分野が強いが、1年だけで優劣を判断するのは早計
・時期によって、成長セクターが入れ替わる「セクターローテーション」は必ず起こる

足元の成長重視ならS&P500への乗り換えも
・成長セクターに比率を置くS&P500に切り替えることも選択肢の1つ

分配金に魅力を感じ、安定も重視するなら楽天SCHDを持ち続ける
・分配金や安定的なリターン、セクター分散といった強みは1年前から変わりなし
・将来的な増配による利回り向上も期待

分配金や増配の安定感に魅力を感じ投資先として選んだのであれば、一時的な値動きに振り回されず、長期投資の視点で冷静に判断することが重要です。

まとめ|楽天SCHDの特徴と投資判断のポイント

この記事では、楽天SCHDとS&P500の実績をまとめつつ投資判断のポイントを整理しました。

これから購入を検討する方は、S&P500のように成長性を重視した投資信託が、短期的には最も期待値が高いかもしれません。

一方で、既に楽天SCHDを保有している方は、分配金や増配、安定セクターへの投資など、楽天SCHDならではの魅力を感じ購入を決めたはずです。今のところ期待ほどの伸びではないとしても、楽天SCHDの強みは健在です。

わずか1年間の結果で右往左往することなく、長期投資の視点で判断することが重要です。

【重要事項】 当記事は、楽天SCHDの分配金に関する情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の勧誘を目的としたものではありません。投資には元本割れのリスクや、市場の変動、為替レートの変動等により損失が生じる可能性があります。また、過去の分配金実績は将来の分配金を保証するものではありません。最終的な投資判断はご自身の責任において、十分な情報に基づいて行ってください。

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