最近、S&P500やオルカンなど新NISAで人気のインデックス投資信託が連日最高値を更新しています。
好調なニュースを見て「投資を始めてみようかな」と思いつつも、投資は怖い?失敗したらどうしよう… と迷っている方も多いのではないでしょうか。
新NISAは投資の利益が非課税になる、とてもお得な制度です。
ただし、仕組みや注意点を理解せずに始めてしまうと、せっかく投資しても思うように利益が出ず、後悔する可能性もあります。
この記事では、投資初心者が失敗しないために押さえておきたい注意点を、ファイナンシャルプランナー・証券外務員資格を持つ筆者がわかりやすく解説します。
ここで紹介するポイントを押さえれば、初心者でも安心して投資を始められます!
投資初心者が新NISAで失敗しないための5つの注意点
新NISAで投資を始める前に、初心者がつまずきやすいポイントを押さえておくことが大切です。
最初に結論として、注意すべき5つのポイントは以下の通りです:
1.証券会社選び
銀行や店舗型の証券会社は避けて、楽天証券かSBI証券で始めましょう。
2.投資先の選び方
NISAで買える中にも危険な投資先はあります。「つみたて投資枠の対象商品」を選びましょう。
3.値動きの幅を理解
長期的に見れば資産は増えますが、一時的にはマイナスになったり、暴落することもあります。
4.長期投資する
数十年単位の長期投資をしましょう。現金が不足するまでは、売る必要はありません。
5.購入時の注意点
「似た名前の投資商品」や「口座選択」で間違えないように気を付けましょう。
これさえ押さえておけば、投資の知識がほぼない初心者でも大きな失敗をすることはなく、安心して投資を始められます。
NISA口座を開設する証券会社
NISAで投資を始める前に、最初に考えるべきはどの証券口座でNISA口座を開設するかです。
普通の証券口座(特定口座といいます)は、銀行の口座のようにいくつでも作ることができますが、NISA口座は1人につき1社しか開設できません。
後から金融機関を変更することも可能ですが、変更できるタイミングは1年に1回だけで、手続きも複雑です。特に初心者にはかなりハードルが高いでしょう。
そのため、手数料が安く商品ラインナップも豊富な楽天証券かSBI証券のどちらかで開設しておくと安心です。最初の選択でつまずかないことが、長期投資の成功につながります。
投資先の安全・危険の線引き
投資には、インデックス投資、個別株、レバレッジ型投資信託、仮想通貨などさまざまな選択肢があります。
NISA口座の場合、つみたて投資枠では一部の投資信託しか選べませんが、成長投資枠ではより幅広い投資信託や個別株も購入可能です。
ただし、個別株の中には安定した大企業の株だけではなく、短期間で株価が2倍、3倍になる一時的なマネーゲーム銘柄もあります。
こうした値動きの大きい個別株や、NISA対象外の投資先の中には、十分な知識がないと大損する可能性が高い投資先もあります。
結論として、投資の知識が十分でない初心者は、まずはつみたて投資枠で選択できる投資信託だけに絞るのが安全です。つみたて投資枠の投資信託は、金融庁が基準を設けており、長期・積立に向いた安全な選択肢といえます。
つみたて投資枠の対象商品は、成長投資枠で購入することもできます。これだけで数年投資を続けてみて、値動きに慣れたり、経済や会計の勉強を十分にしてから、他の投資先を検討しましょう。
投資は値動きするもの|下落や暴落を想定しよう
投資は銀行口座のように数字が固定されるものではなく、日々値動きするという特徴があります。
10%程度の増減は日常的に発生するうえに、例えばコロナショックなど、数年に一度は30~50%の暴落が起きることもあります。
こうしたタイミングで慌てて売ってしまうと、せっかくの非課税メリットや将来のリターンを逃してしまいます。
購入直後に含み損になったり、そこから数年かけて積み上げた大きな含み益が数日で消し飛んだり、こういったことは当たり前に起こるということを覚悟しておきましょう。
一方で、長期で見ると、世界株式や米国株式のインデックス投資は年平均4〜7%程度の利回りが期待されます。つまり短期的な値下がりはあっても、長期的には資産が増える可能性が高いということです。
とにかく売らない|暴落しても積立を続ける
インデックス投資で成功するポイントは、とにかく長期で保有することです。ここで言う長期とは数十年です。
初心者がよく陥る失敗の一つは、投資信託の価格が大きく下落したり、まとまった利益ができたタイミングで売ってしまうことです。しかしこのような売却は、長期で積み上げるはずだった利益を失ってしまうことに繋がります。
個別株であれば目先の値動きを考えて日常的に売買をすることも選択肢ですが、そもそもつみたて投資枠を利用したインデックス投資は、現金が必要になった時以外に売る必要はありません。
とにかく売らないということを覚えておきましょう。
NISA口座で購入時の注意点
最後に、実際にNISA口座で投資信託を注文するときの注意点です。
ここを押さえておかないと、意図しない商品を買ってしまったり、運用方針がずれてしまうことがあります。
1.似た名前の商品に注意
投資信託には似た名前が多く、例えば「S&P500」や「eMAXIS Slim」と付く商品もいくつかあります。念のため一字一句、間違っていないか確認してから注文しましょう。
◆人気の投資信託の正式名称
S&P500:eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
オルカン:eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)
2.口座の種類を選択
投資信託の注文時には、毎回口座選択をする必要があります。NISA制度を利用する場合は、一般口座、特定口座ではなく、必ずNISA口座を選びましょう。
投資枠の選択は、最初はつみたて投資枠を選ぶと無難です。
3.分配金型の選択
分配金を「受取型」か「再投資型」か選択します。S&P500やオルカンに分配金はありませんので、どちらでも構いません。
※分配金がある投資信託の場合、「再投資型」を選ぶと自動的に再投資されるため、現金で受け取ることはできません
特に1と2については間違ってしまうと、全く違う運用になったり、非課税のメリットを活かせず変更手続きに大きな手間がかかるなど、取り返しのつかない事態になる可能性があります。
最後の詰めで失敗しないように注意しましょう!
まとめ|投資初心者の5つの注意点
今回は、投資初心者が新NISAで失敗しないための5つの注意点を解説しました。
- NISA口座を開設する証券会社選び
- 投資先の安全・危険の線引き
- 値動きの理解
- とにかく売らない
- NISA口座で購入時の注意点
これらを理解しておくことで、短期的な値動きや商品選びで慌てることなく、落ち着いて積立投資を続けることができます。
初心者にとって、つみたて投資枠の安全な投資信託を長期で積み立てることが失敗の少ない方法です。というより、どれだけ投資の知識があったとしても、多くの投資家にとってこれが最も合理的な投資法といえます。
この記事で紹介したポイントを押さえて、安心して新NISAの資産形成を始めましょう!
【重要事項】 当記事は、投資信託に関する情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の勧誘を目的としたものではありません。投資には元本割れのリスクや、市場の変動、為替レートの変動等により損失が生じる可能性があります。また、過去の運用成績は将来の運用成績を保証するものではありません。最終的な投資判断はご自身の責任において、十分な情報に基づいて行ってください。