- 最大の違い:FANG+は巨大企業への集中投資、一歩テック20は分散と柔軟性も備えた設計
- FANG+の強み:NISA口座つみたて投資枠の対象
- 一歩テック20の強み:信託報酬の低さと、出口で有利な「当日約定」
- 王道はFANG+。NISAでの超長期投資なら一歩テック20も選択肢
「オルカンやS&P500より、もっと攻めたリターンが欲しい」
あるいは、最近のFANG+(ファングプラス)の足踏みを見て「乗り換えを検討している」
そんな投資家にとって有力な選択肢となり得るのが、『一歩先いく US テック・トップ20(以下、一歩テック20)』です。
このFANG+と一歩テック20、一見するとどちらも似たようなハイテク集中投資ファンドですが、その中身や方向性には意外と大きな違いがあります。
本記事では、集中投資の王道であるFANG+と、新鋭の一歩テック20を徹底比較。
NISA対応・手数料・約定タイミングといった細かな違いはもちろん、長期投資において資産を託すべきはどちらの「仕組み」なのか、判断基準を整理します。
FANG+と一歩テック20|スペック比較
まずはFANG+と一歩テック20の基本性能の違いを見てみましょう。
| 比較項目 | FANG+ | 一歩テック20 |
|---|---|---|
| ファンド名称 | iFreeNEXT FANG+インデックス | 一歩先いく US テック・トップ20 |
| 連動指数 | NYSE FANG+指数 | FactSet US Tech Top 20 Index(2244) |
| 銘柄数 | 10銘柄 | 20銘柄 |
| リバランス | 10銘柄均等配分(各10%) | 時価総額加重(1銘柄の上限8%) |
| NISA口座対応 | つみたて投資枠 / 成長投資枠 | 成長投資枠のみ |
| 信託報酬 | 0.7755% | 0.495% |
| 約定タイミング | 翌営業日約定 | 当日約定 |
| 償還日 | 無期限(当初2028年から無期限化) | 2050年3月(無期限化の可能性あり) |
引用元:大和アセットマネジメント株式会社 公式ホームページのファンド情報より筆者作成
どちらも米国のテック銘柄に集中投資する点は共通ながらも、分散の方向性や保有コスト、約定日の仕組みには違いがあります。
最大の違い|銘柄入れ替えルール

ここからは投資先としてどちらが優秀か、ポイントを絞って違いを比べていきます。
両者の最も大きな違いとして「銘柄入れ替えのルール」があげられます。
FANG+の銘柄入れ替え
FANG+は、四半期(3月、6月、9月、12月)ごとに銘柄の見直しを行いますが、その仕組みは「固定」に近いものです。
- 銘柄選定ルール:原則固定の6銘柄に加え、独自のスコア順位で選ばれた4銘柄の計10銘柄で構成されます。
- 入れ替え発生ルール:既存の4銘柄がランキング10位以内に踏みとどまっている限り、入れ替えは実施されません。
✅FANG+の銘柄選定ルールについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
一歩テック20の銘柄入れ替え
対して一歩テック20は、毎年6月と12月にリバランスが実施されます。
・銘柄選定ルール:5つのサブテーマ(半導体、クラウド、eコマース、オートメーション、次世代コンテンツ)から、時価総額上位を選出します。
・入れ替え発生ルール:リバランスのタイミングで、銘柄選定ルールと同様に選出し入れ替えが実施されます。
✅一歩テック20の銘柄選定ルールについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
実際の銘柄入れ替え頻度
入れ替えルールとしては上記の通りですが、結果的に、FANG+の入れ替え頻度は1年に1回程度と低く、一歩テック20は基本的に年2回の入れ替えが発生しています。
- FANG+:既存銘柄を重視
入れ替え頻度は「1年に1回程度」と低いです。
値下がりした銘柄を買い増すナンピン構造となっているため、10位以内で粘った銘柄が回復すればリターンが大きいですが、そのまま除外されると指数のリターンを押し下げます。
最近ではパランティアの採用が遅れ高値掴みとなるなど、既存銘柄を重視する弊害も目立っています。 - 一歩テック20:柔軟に入れ替え
年に2回のリバランスのタイミングでは、実際に頻繁な入れ替えが実施されています。一度に2~3銘柄が入れ替わることも珍しくありません。
ただし銘柄入れ替えには、最新の成長企業を取り込めるメリットがある一方、頻繁であると売買にかかる内部コストが増大するというデメリットもあります。
この違いはFANG+と一歩テック20の優劣を判断する上で、最重要といえます。
利便性の3つの違い
銘柄入れ替えの方針以外に、投資判断をする上でポイントとなる3つの違いがあります。
NISA口座対応
NISAの「つみたて投資枠」が使えるかどうかに違いがあります。
FANG+は「成長投資枠」と「つみたて投資枠」両方で購入ができますが、一歩テック20は「成長投資枠」のみ対象となっています。
FANG+は、NISA口座の生涯投資枠1,800万円に対して満額を埋めることができますが、一歩テック20の場合は、少なくとも「つみたて投資枠600万円分」は別の投資信託を選ぶ必要があります。
手数料(信託報酬)の違い
長期投資において、手数料の差は「確実なマイナス」として資産を削ります。
この点は一歩テック20が優れており、その差は0.2805%です。
◆年間保有コスト(税込)
FANG+:0.7755%
一歩テック20:0.495%
一見小さく見えますが、仮に300万円を30年間運用した場合、このコスト差だけで数十万円の差が生まれます。
約定タイミングの違い
通常、海外株に投資する投資信託は注文した翌営業日の🔎基準価額で約定します。
FANG+だけではなくオルカンや&P500も同様です。
しかし、一歩テック20は「注文した当日の基準価額」で約定するという、独自の強みを持っています。
- 仕組み: 直接米国株を買いに行くのではなく、東証に上場しているETF「グローバルX US テック・トップ20 ETF(2244)」を投資対象にしているため、国内資産と同様のスケジュールで約定が可能です。
- メリット: 基準価額の確定前ではあるものの、算定根拠となる株価・為替レートは決まっています。注文時点で、約定する基準価額を推察した上で売買判断ができます。
スポット購入だけではなく、特に売却時に強みとなります。
FANG+のような翌営業日の約定であれば、売買注文から実際に約定する基準価額の算定までに、最低でも1営業日分の値動きが発生しまいます。
当日約定の場合はさらに、平日15:30までNASDAQ100などのCFD(時間外取引)の方向性も考慮することができます。インデックス投資で頻繁な売買は非推奨ですが、出口戦略では当日約定のメリットは大きいといえます。
✅一般的な海外投資信託の約定日についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
FANG+・一歩テック20|メリットデメリットの判断軸
スペックや仕組みの違いを踏まえ、どちらのファンドを選ぶべきか、その判断軸をまとめました。
◆FANG+を選ぶべき人
・NISA口座のつみたて投資枠も、メガテック株への集中投資で埋めたい
・GAFAMを中心とした巨大企業への投資こそが、歴史的に見ても最高効率であると考える
・既存銘柄重視の選定ルールを信頼し、構成銘柄が噛み合うフェーズをじっくり待てる
◆一歩テック20を選ぶべき人
・オルカンやS&P500より攻めたいが、FANG+の10銘柄集中は少し尖りすぎだと感じる
・分散を効かせつつ、柔軟な入れ替えによって次世代の中型株の成長も幅広く取り込みたい
・信託報酬の低さや、出口戦略で有利な「当日約定」の機動性に魅力を感じる
・数十年後にはGAFAM以外の企業が台頭している可能性を考慮し、その変化に自動で対応できる仕組みを重視したい
このような判断基準がポイントになるのではないでしょうか。
とはいえ、無理にどちらか片方だけを選ぶ必要はありません。
どちらも有力な選択肢であることに変わりはなく、ハイブリッド戦略も十分現実的です。それぞれの特性を理解した上で、自分なりの「最適解」を組み合わせてみてください。
筆者の考え|FANG+から乗り換える?
筆者自身は、元から保有していたFANG+はそのままに、一歩テック20を買い増したことで「両方保有」という戦略になっています。
巨大企業への集中投資による「期待値の高さ」という点では、依然としてFANG+が勝ると感じているため、乗り換えるというよりはバランスの問題です。
FANG+は最近こそ軟調な展開が続いていますが、構成銘柄の業績自体が損なわれたわけではなく、🔎バリュエーションはいよいよ割安水準まで下がってきました。
短期・中期的な成長性を期待するのであれば、今はまさに買い時と言えるかもしれません。
一方で、NISA口座から売却するような20年、30年という超長期投資で考えるなら、一歩テック20が持つ「入れ替えの幅広さ」に合理性を感じます。
現在の市場環境が変化し主役がGAFAMから交代していたとしても、柔軟な入れ替えルールによって自動的にその時代の主役をポートフォリオに組み入れてくれるからです。
FANG+の方が投資額は大きいながら、5年後10年後の売却も想定して特定口座で運用。
20年を超える投資期間に柔軟に対応する必要があるNISA口座では、一歩テック20を運用しています。
将来資産を取り崩す段階において、一歩テック20の当日約定という機動性が、暴落などの非常事態に即時対応できる「守りの一手」になるかもしれないと評価しているためでもあります。
まとめ:FANG+と一歩テック20はどっちも有力
FANG+と一歩テック20、どちらも米国のテクノロジー進化を資産に取り込むための、有力な選択肢です。
どちらを選ぶにしても、半導体やクラウドといったテーマが生きていることは大前提ですが、これらは一時的なブームではなく現代文明に不可欠なインフラとして根付きつつあります。
最強の10社が牽引する成長力を重視するならFANG+。 低コストを追求しつつ、未来の主役交代にも備えるなら一歩テック20。
これらは決して「どちらか一方が間違い」という二択ではありません。それぞれの強みが、どの口座で、どの時間軸で最大化されるかを見極めることが重要です。
【重要事項】 当記事は、各投資信託に関する情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の勧誘を目的としたものではありません。投資には元本割れのリスクや、市場の変動、為替レートの変動等により損失が生じる可能性があります。また、過去の運用成績は将来の運用成績を保証するものではありません。最終的な投資判断はご自身の責任において、十分な情報に基づいて行ってください。




