- 為替の影響は、S&P500やFANG+など海外投資信託の基準価額の計算に含まれる
- 円安で基準価額アップ、円高で基準価額ダウン
- 日経平均やTOPIXなど国内投資信託は為替リスクなし
- オルカンは通貨分散が効いていて、為替の影響は一部緩和される
2024年1月から新NISA制度が始まり、多くの人がS&P500やオルカンといったインデックスファンドを積立投資で活用しています。
これらのファンドは世界の株式市場に分散して投資できる一方で、外国通貨建ての資産を円に換算して評価するため為替変動の影響(為替リスク)を受けます。
本記事では、FP2級・証券外務員一種の資格を持つ筆者が、為替は基準価額にどのように影響するのか、初心者にもわかりやすく解説します。
基準価額とは|為替が基準価額に反映される仕組み
まずは投資信託の基準価額について基本を押さえておきましょう。
- 基準価額 = 投資信託の1万口あたりの値段
- 投資信託はスタート時は1万円から始まる
- 基準価額は1日1回、日本では平日の22時頃に更新される
- 外国株に投資している場合も、円換算で表示される
つまり、投資信託の損益は『買った時点の基準価額(平均取得価額)』と『今の基準価額』を比較して判断します。
この基準価額は円換算されて計算されていますので、為替の影響を意識しにくいですが、実際には基準価額にしっかり反映されています。

為替リスクの基本|円高や円安でS&P500の基準価額はどう動く?
海外投資信託の値動きは、主に「①株価指数の変動」+「②為替の変動」で決まります。
S&P500に連動する投資信託を例にすると、日本人投資家もドル建てで資産を保有しているため、S&P500の値動き+ドル円レートの変動が基準価額に反映されます。
◆具体例
- S&P500が1%上昇し、同時に1%円安 → 基準価額は約2%上昇
- S&P500が変動なしで、1%円高 → 基準価額は約1%下落
つまり、外貨建て投資信託は「株価が上がっても円高で相殺される」「株価が下がっても円安で緩和される」ことがあります。
・為替は当日の午前10時頃のレートで計算されます
・基準価額には分配金や運用手数料も影響しますが、株価や為替の影響と比べると軽微です
オルカンは為替リスクが緩和される
S&P500に連動する投資信託は、その100%をドルで保有しているためドル円レートが影響しました
一方で、日経225・TOPIXなど国内株インデックスはすべて円建てなので為替の影響はありません。
オルカン(全世界株式)は各国通貨に分散(米ドル約60%、他にユーロ・円・ポンドなど複数通貨)されていて、オルカンは為替の影響も緩和される仕組みになっています。
また、一部の投資信託は「為替ヘッジあり」となっています。これは為替の影響を排除できますが、為替ヘッジのためにコストが高めになる点には注意が必要です。
まとめ|為替リスクを理解して長期投資しよう
ここまで解説した通り、基準価額は円換算されていて、為替変動の影響は基準価額に含まれています。
・円高 → 基準価額を下げる要因
・円安 → 基準価額を上げる要因
・オルカンは複数通貨に分散されているので影響はやや緩和される
・日経平均やTOPIXなどの国内投資信託は為替の影響なし
それでも、長期・積立・分散というインデックス投資の基本を守ることで、為替リスクは時間の中で吸収される可能性が高いでしょう。
放置がベストといわれるインデックス投資ですが、為替リスクの仕組みを理解して長期投資に臨みましょう。
【重要事項】 当記事は、各投資信託に関する情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の勧誘を目的としたものではありません。投資には元本割れのリスクや、市場の変動、為替レートの変動等により損失が生じる可能性があります。また、過去の運用成績は将来の運用成績を保証するものではありません。最終的な投資判断はご自身の責任において、十分な情報に基づいて行ってください。



