2024年から新NISA制度が始まって、まもなく2年目に突入します。
2024年の米国株は、異例とも言えるくらいに大きく株価上昇して終えることになりそうです。どの投資信託も素晴らしい成績ですが、これが毎年続くわけではありません。
来年の投資先を検討するにあたって、人気の投資信託の2024年実績を確認しておきましょう。
比較対象の投資信託
今回は人気の高い投資信託を中心に、以下9本の投資信託の実績を比較します。
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
- eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)
- eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)
- 楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天VTI)
- ニッセイNASDAQ100インデックスファンド
- iFreeNEXT FANG+インデックス
- eMAXIS Slim国内株式(日経平均)
- eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)
- Tracers S&P500トップ10インデックス
年初からの実績
2024年の実績として各投資信託の年初来のリターンと、最も下落した時期の下落幅を比較し、リスクとリターンのバランスを見ていきます。
期間は年初1/4~12/16です。最大下落幅はどの投資信託も7/11~8/5の期間となりました。
基準価額で比べていますので、指数だけではなく為替の変動も含めた円換算の実績です。
最もリターンが大きいのはFANG+でした。年初来で72.1%の上昇と圧倒的なリターンです。ただし最大下落幅は25.9%で、今回比較している投資信託の中ではワーストとなっています。
リターンと下落幅はともにFANG+>ナスダック100>S&P500>VTI>オルカンの順番で、リスクとリターンは表裏一体であることがはっきりわかる結果でした。
S&P500は最も攻守のバランスがよく、人気が高いのも納得ですね。来年以降も主軸となる投資信託でしょう。
ナスダック100は他と比べると知名度は劣りますが、S&P500より若干ハイリスクハイリターンになっています。オルカン+ナスダック100であれば、オルカンの分散を活かしつつ、リターンの弱さをカバーできるため相性が良いでしょう。
オルカンとナスダック100を7:3程度で投資する通称オルナスも、今後人気が上がってくるかもしれません。
一方で国内株の日経平均とTOPIXは、リターンの割に下落幅が大きく、海外投資信託と比べると振るわない結果になりました。
S&P10とFANG+
S&P500トップ10は2024年5月16日に基準価額10,000円でスタートしました。
年初からの実績はありませんので、5/16~12/16の期間で構成が近いFANG+と比べてみます。
FANG+の29.6%に対して、S&P10は20.2%のリターンに留まりました。
下落率はS&P10がわずかに低く守備的なものの、トータルではFANG+の方が好成績と言えるでしょう。手数料の差(0.6%程度)を跳ねのける強さです。
S&P10の時価総額加重平均に比べて、FANG+は10社均等に構成されているため、下位企業の成長分を取りやすかったのかもしれません。
来年以降はどうなるかわかりませんが、現時点ではFANG+に軍配があがります。
まとめ:リスクとリターンのバランスが大切
結果論としては2024年の成長投資枠は、FANG+を早めに購入しておけば好成績だったと言えます。
オルカンの2倍以上のリターンとなると非常に魅力的ですね。
しかしインデックス投資で最も大切なのは、分散投資によるリスクとリターンのバランスです。
今年7/11~8/5の期間は株安+円高のダブルパンチで、日本人目線ではわりと大きな下落になりました。
1ヶ月近く下げ続けたので不安になった人も多いでしょう。そんな逆風期間のダメージを抑えることもインデックス投資においては重要です。
リターンだけに目を向けず、自分のリスク許容度を確かめながら投資先を選んでいきましょう。
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