カブアンドでんきはおトク?電気料金と株の価値について

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元ZOZO社長の前澤さんが新しく始めた電力サービス「カブアンドでんき」が話題になっています。

他にもモバイルやウォーターサーバーがありますが、ラインナップの中ででんきの切り替えは最もお手軽なので、気になっている人も多いのではないでしょうか。

今回はカブアンドでんきについて電気サービス自体の評価貰える株の価値、この2点で見ていきたいと思います。

(電気料金の基礎知識はこちらの記事で解説しています)

カブアンドでんきに切り替えるべき?

先に結論です。

  1. オール電化の場合は大きく損
  2. 「関西電力エリア、九州電力エリア」の人は損
  3. その他のエリアにお住いの人にとっては、得でも損でもない普通水準の電力サービス
  4. 1株5円として貰った株は、0円~5円の価値になる可能性が高い

こんな評価でしょうか。

カブアンドでんきはオール電化用のプランが無いため、(物理的には切り替え可能ですが)対象外と思ってOKです。

関西、九州の人はやめておきましょう。理由は後述します。他のエリアであれば前澤さんを応援したい人は選択肢だと思います。

ただし料金メリットを追求したいのであれば、もっと料金や特典がおトクな電力会社があります。

株の価値は大きく上がる可能性は低いと考えますが、無料で貰うので損することはありません。

カブアンドでんきのサービス

電気サービス自体を、品質や料金の観点から見ていきます。

電気の品質と契約先

電力自由化以降は、地域の電力会社(東京電力や関西電力のことです)以外の電力会社を選べるようになりました。

カブアンドでんきも含めて、これらの電力会社を新電力と呼びます。ソフトバンクでんきや楽天でんきが有名ですね。

新電力に切り替えることで「電気の品質が落ちるのではないか」「停電が増えるのではないか」といった疑問を持つ人もいるかもしれませんが、電気を作る・送る部分はどの電力会社を選んでも違いはありません

カブアンドに限らず電気の品質は問題ありませんので、電力会社を選ぶときは「料金、特典、支払い方法、問い合わせしやすさ」といった点を比較して選びましょう。

補足程度なので気にする必要はありませんが、厳密に言うとカブアンドは代理販売しているだけの会社です。実際は大阪ガスと電気の契約をします。

料金の比較

カブアンドでんきの料金自体は地域の電力会社とほぼ同水準で、他の新電力よりは高めです。

ここからは電力会社やプランを4つに分けて説明させてください。

①地域の電力会社の従量電灯プラン割高
②地域の電力会社のその他のプラン①よりわずかに安い
③一般的な新電力会社②よりさらに安い
④料金の変動が大きい新電力会社電力市場の価格にあわせて料金が変動

電力会社の見直しや切り替えをしていない人は①の「従量電灯b、従量電灯c」といったプランです。

電力会社はそのままでも、プランだけ変更していると②に該当します。東京電力エリアであれば「スタンダードプラン」、中部電力エリアであれば「おとくプラン」などです。

説明しやすいようにあくまで目安ですが、①よりも料金は1%ほど安く、カブアンドでんきはこの水準に該当します。

では③はどうかというと、新電力会社は①の料金から3%ほどのメリットが一般的です。

これだけではカブアンドでんきは他の新電力会社より割高となってしまいますが、ここで株配りの特典です。

1株5円として電気料金の1%~2%相当の株を配ることで、実質③の料金水準になります。あとはこの株が将来的にいくらになるか次第ですね。

最後に④については「電力市場の価格」や「電気の原料である石油や石炭の仕入れ価格」の変動を、電気料金に大きく反映させる電力会社です。

安いときは安いものの料金高騰の可能性もあるため、仕組みについて詳しくない人は避けた方が無難でしょう。

燃料費調整額と上限

④は電気料金の変動が大きいと述べましたが、実は①~③であってもある程度の料金変動はあります。

燃料費調整額といって、④と同じく「電気の原料である石油や石炭の仕入れ価格」を電気料金に反映させる仕組みです。

④と比べると変動リスクは小さいですが、この最低限の変動は日本中どの電力会社を選んでも避けることはできません。

そしてこの燃料費調整額の上限がカブアンドでんきにはありません

というよりもほとんどの電力会社・プランに上限はなく、あるのは①地域の電力会社の従量電灯プランだけになります。

ここで注意して貰いたいのは②のプランは地域の電力会社ですが上限が無いことです。「地域の電力会社なら上限がある」と思っていると間違いですね。

上限のある「従量電灯プラン」の方がイレギュラーで、カブアンドでんきを含めた「燃料費調整額に上限がある」プランの方が標準的と言えるでしょう。

毎月の料金変動がその地域の電力会社と同じ燃料費調整額であれば上限がなくてもOKです。

関西と九州の燃料費調整額

カブアンドでんきの申込みページでも明記されていますが、現在関西電力エリアと九州電力エリアはこの上限を超過しています。

「従量電灯プランより3%割安」の電力会社と契約していたとしても、割安な3%よりも上限超過分が大きくなると料金が逆転してしまいます。

現状では関西と九州にお住いの方は、関西電力、九州電力の「従量電灯プラン」が無難です。

※関西、九州でオール電化の場合は個別に試算してください

関西・九州エリア以外であれば、今のところ上限が無いことを心配する必要はありません。もし上限を超えてしまいそうになったら、地域の電力会社の従量電灯プランに切り替えれば大丈夫です。

貰える株の価値は?

では1株5円分として貰った株は将来いくらになるでしょうか。将来的に5円以上で売れるのであれば、他の電力会社と比べておトクだったことになります。

そもそも上場できるか

株式会社カブ&ピースが株式市場に上場するまでは、売却することはできず価値は0円です。そして株式会社が上場することは並大抵のハードルではありません。

上場が何年も先になる可能性があり、そもそも上場できるかどうかわかりません。

ロックアップと希薄化リスク

上場できたとしても、ロックアップという規定によりすぐに売却できない可能性が高いです。

希薄化については、継続的に株を配ることによって1株あたりの価値がどんどん下がるリスクです。株式はオーナーの権利を分割する券のようなものなので、配れば配るほど1株あたりの価値が低くなってしまいます。

自分としては最も疑問に思っていることですが、無事に上場したとして、無料で配っている株を積極的に買いたいという人が本当にいるでしょうか。

そしてロックアップが解除されるタイミングで、カブアンドを使ってきたユーザーから大量の売り注文が出るわけです・・・ちょっと怖いですね。

まとめ

カブアンドでんきは電気料金としては高くもなく安くもなく標準的です(オール電化、関西、九州を除く)。

料金と特典のメリットを追求するのであれば、ソフトバンクやauで携帯電話とセットにしたり、申込み時の特典が大きい電力会社を選んだ方がメリットが大きいでしょう。

特典の株の価値については、個人的には0円~5円になるだろうと思っています。さらに株の受け取りの際に、指定の証券会社で口座開設が条件になる可能性もありそうです。

もちろん無料でもらえるので損をするわけではなく、何倍もの価値になる可能性も十分あります。

利益を追求するというよりはカブ&ピースの成長を前澤社長といっしょに楽しみたいという人は、前向きに検討してみましょう!

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