新NISAの投資先は、eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)とeMAXIS Slim米国株式(S&P500)が大人気です。
オルカンは世界中の株式に分散投資できるため、長期投資に適したインデックスファンドとして知られています。
このオルカンに似た商品として、eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)もあり、日本株への投資を除いた分散投資が特徴です。
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー):本家オルカン
eMAXIS Slim全世界株式(除く日本):オルカン(除く日本)
本記事では、この『本家オルカン』と『オルカン(除く日本)』の違いを、投資比率や手数料、実績の観点から比較して、FP2級・証券外務員一種の資格を持つ筆者がわかりやすく解説します。
どっちが有利?オルカンとオルカン(除く日本)を比較
結論からいうと、本家オルカンとオルカン(除く日本)のどちらが有利かは、投資スタイルや資産状況によって変わります。大きな差はなく、選ぶポイントは「日本株をどれくらい含めたいか」です。
多くの人は知名度の高い本家オルカンを選ぶことになりますが、日本株をすでに多く保有している場合は、オルカン(除く日本)を選ぶことでバランスを調整できます。
投資比率の違い|オルカンと除く日本の特徴
本家オルカンとオルカン(除く日本)の主な違いをみていきます。
投資比率
本家オルカンの投資先は概ね以下の比率です:
- 米国:60%
- 日本:5%
- 他の先進国:25%
- 新興国:10%
オルカン(除く日本)は、このうち日本への投資を0%にすることで、残りの国々の比率が相対的に増加しています。
この「日本株を除く」ことが、両者の最大の違いです。
運用手数料
次に運用手数料(信託報酬)の違いはどうかというと、どちらの信託報酬も年率0.05775%と同額に設定されています。
投資額100万円に対して年間わずか577円ということで、どちらも格安ですね。
運用報告書を細かく見ると、実質コストで多少の差が出る可能性はありますが、577円から数十円前後する程度で気にするような差ではありません。
過去のリターン(年率)
最も重要な平均利回りの違いです。
2024年11月12日時点での各期間の収益率を、年換算して比較します。
6ヶ月 | 1年 | 3年 | |
本家オルカン | 20.10% | 34.03% | 17.43% |
オルカン(除く日本) | 21.01% | 34.81% | 17.70% |
これだけを見るとわずかにオルカン(除く日本)が優れていますが、誤差程度といえます。
日本株がよほどの急騰、急落をしない限り両者の実績に大きな違いは生じません。
純資産総額の違い
最後に純資産総額の違いです。純資産総額は投資信託の規模を表します。
本家オルカン:47,826億円
オルカン(除く日本):6,130億円
運用成績はほぼ同じですが、本家オルカンの人気やネームバリューが圧倒的で、純資産総額は8倍近い差になっています。
とはいえ、オルカン(除く日本)の6,130億円という金額も十分な規模で、安心して投資できます。
『除く日本』はなんのため?
ここまで見てきたように2つのオルカンに大きな違いはありません。ではオルカン(除く日本)はなんのためにあるのでしょうか。
最大の理由は、日本株に多額の投資をしている人が、本家オルカンに投資をすると日本株への投資割合が大きくなりすぎることを防ぐためです。
日本の個別株で長期保有の高配当株投資をしている場合など、あえてオルカン(除く日本)を選択することで、本家オルカンを選択した場合と比べて、保有資産の中の日本株や日本円の割合を抑えることができます。
最近では100億トレーダーのテスタさんが「オルカンデビューしました!」とXでポストされているのを見かけましたが、本家オルカンではなくオルカン(除く日本)を購入されていました。
これは日本株を多く保有されているためと推察されます。
まとめ:オルカンはどちらも優秀
今回は本家オルカンとオルカン(除く日本)を比較しました。
圧倒的人気の本家オルカンですが、日本株を保有している場合は、少しアプローチを変えて「除く日本」も検討してみると良いかもしれません。
そもそもの給料や現金資産が日本円であることを考えると、日本株を持っていないとしても、オルカン(除く日本)を選ぶことには合理性があるかもしれません。
とはいえどちらも優秀な投資信託であることに疑いはなく、迷ったら多数派である本家オルカンをおすすめします!
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