楽天証券ユーザー必見!楽天オルカンとオルカンの違いを比較

資産運用・投資
記事内に広告が含まれています。

「オルカン」といえば、新NISAでも大人気の全世界株式インデックス投資信託です。

通常「オルカン」とは基本的に「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」のことを指しますが、楽天証券ユーザー限定で購入できる「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」(通称:楽天オルカン)もあります。

後発の楽天オルカンにはポイント還元プログラムなど独自のメリットもあります。楽天証券限定ではありますが、楽天証券ユーザーはどっちのオルカンが良いのか迷うところではないでしょうか。

この記事では、証券外務員一種とFP2級の資格を持つ筆者が、投資対象や運用実績、手数料、ポイント還元の観点から両者を比較し、楽天証券ユーザーに向けて選び方のポイントを解説します。

✅この記事内では、以降は「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」を「本家オルカン」と呼称します

スポンサーリンク

オルカンと楽天オルカンの違い|概要の比較

まずは本家オルカンと楽天オルカンの基本スペックを簡単に比較します。

投資先
・本家オルカン:世界の先進国・新興国の株式を幅広くカバーするMSCI ACWIインデックスに連動
・楽天オルカン:同じくMSCI ACWIインデックスをベースに運用

設定開始日
・本家オルカン:2018年10月31日
・楽天オルカン:2023年10月27日

純資産総額(2025年5月末時点)
・本家オルカン:約59,301.46億円
・楽天オルカン:約3,676.46億円

販売チャネル
・本家オルカン:多くの証券会社や銀行で幅広く販売
・楽天オルカン:楽天証券限定で販売

運用会社・シリーズの特徴
・本家オルカン:三菱UFJ国際投信が運用、低コストで人気のシリーズ
・楽天オルカン:楽天投信投資顧問が運用、楽天証券ユーザー向けのポイント還元など独自メリット

このように2つのファンドには設定時期・規模・販売チャネルに違いがありますが、どちらも全世界株式に投資するインデックスファンドです。

以降はそれぞれの投資信託の月次レポート(2025年5月末時点)を基に、本家オルカンと楽天オルカンの違いを見ていきます。

月次レポート:eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
月次レポート:楽天・全世界株式インデックス・ファンド

組み入れ銘柄(国・地域別)の比較

まずは本家オルカンと楽天オルカンの、上位10カ国・地域の組み入れ比率を比較します。

2025年5月末時点の組み入れ比率はこのようになっています。

順位本家オルカン楽天オルカン
国・地域比率国・地域比率
1アメリカ62.4%アメリカ62.8%
2日本4.9%日本4.8%
3イギリス3.3%イギリス3.2%
4カナダ2.8%カナダ2.8%
5フランス2.5%フランス2.4%
6ドイツ2.3%ドイツ2.3%
7スイス2.1%香港2.3%
8インド1.9%スイス2.1%
9台湾1.8%台湾1.7%
10ケイマン諸島1.8%豪州1.5%

両ファンドの組入れ上位10ヵ国・地域を比較すると、アメリカや日本、イギリスなど主要な構成国はほぼ同じ順序で並んでいます。比率にも大きな差はなく、両者ともMSCI ACWIインデックスに準じた世界の先進国・新興国株式を幅広くカバーしていることがわかります。

わずかな違いとしては、本家オルカンがケイマン諸島(※イギリスの海外領土)やインドを組み入れているのに対し、楽天オルカンは香港や豪州の比率がやや高い点が挙げられます。

しかし全体としては非常に近い構成であり、投資先の差はほとんど気にする必要はないでしょう。

運用実績の比較|リターンに違いはある?

2025年5月末時点の過去実績を比較すると、両ファンドのパフォーマンスは非常に似ています。

期間本家オルカン楽天オルカン
過去1ヵ月7.1%7.1%
過去3ヵ月-0.5%-0.5%
過去6ヵ月-1.2%-1.3%
過去1年5.1%4.8%

わずかに本家オルカンの方が優位ですが誤差の範囲内で、実質的にはほぼ同等と考えてよいでしょう。

過去1年の0.3%の差は、1,000万円投資していたとすると3万円の差が生じています。

信託報酬(手数料)の比較

本家オルカンと楽天オルカンの信託報酬は

信託報酬
・本家オルカン:0.05775%
・楽天オルカン:0.0561%

両ファンドともに非常に低コストですが、後発の楽天オルカンはわずかに低く設定しています。

この差は年間で0.00165%ということになりますので、1,000万円投資していたとすると165円の違いになります。ほとんど気にする必要のない差ですね。

【重要!】隠れコストも含めた実質コスト

このように信託報酬だけを比べると楽天オルカンがやや有利に見えますが、実際の手数料を判断するには「実質コスト」も確認が必要です。

実質コストとは、事前に公表される信託報酬に加えて、売買時の手数料や監査費用など運用にかかる諸費用(いわゆる隠れコスト)を含めた、実際にかかる年間の総コストを指します。

  • 本家オルカンの実質コスト:0.131%
  • 楽天オルカンの実質コスト:0.141%

楽天オルカンの信託報酬は本家オルカンより低かったですが、実質コストでは逆に楽天オルカンの方が高くなっています。これは、隠れコストやその他の諸経費が楽天オルカンの方でやや多くかかっていることを意味します。

年間で0.01%の差ですので、1,000万円の投資額であれば年間のコスト差は約1,000円となります。

本家オルカンは資産総額が約59,301億円と非常に大きく、楽天オルカンは約3,676億円とまだ規模が小さいです。
この資産規模の違いにより、一人あたりにかかるコストに差が生じ、実質コストの差につながっています。
(本家オルカンのボリュームメリット)

楽天オルカンのポイント還元プログラム

運用実績や運用コストではわずかに本家オルカンが有利となりました。しかし、楽天オルカンにはもう1つの強みがあります。

✅引用元:楽天証券公式サイト お知らせ

保有残高に応じて毎月楽天ポイントが還元されるポイント還元プログラムです。還元率は年率約0.017%で、実質的な運用コストの軽減につながります。

1,000万円の投資額であれば年間のポイント還元は約1,700円分です。

楽天証券の場合には本家オルカンにこのようなポイント還元はありませんので、先ほどの実質コストで差がついていた0.01%を逆転できます。

楽天証券ユーザーにとっては楽天オルカンのポイント還元が魅力のひとつとなっています。

まとめ|オルカンと楽天オルカン、どっちがおすすめ?

本家オルカンと楽天オルカンは、投資先はほぼ同じです。

手数料やポイント還元の差についても細かく解説しましたが、約0.01%程度のごくわずかな差にすぎません。したがって、どちらを選んでも大きな違いはほとんどないといえます。

ただし、運用実績や資産規模では本家オルカンがやや優勢で、特に資産規模の大きさによるボリュームメリットが実質コストの差となって表れています。

総合的には、安定感やコスト面を重視すると「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」がおすすめと考えます。

あわせて読みたい関連記事: 
S&P500投資信託|基準価額はいつ決まる?注文と約定タイミング
【2025年6月】FANG+とは?特徴・構成銘柄・運用成績を解説

【重要事項】 当記事は、各投資信託に関する情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の勧誘を目的としたものではありません。投資には元本割れのリスクや、市場の変動、為替レートの変動等により損失が生じる可能性があります。また、過去の運用成績は将来の運用成績を保証するものではありません。最終的な投資判断はご自身の責任において、十分な情報に基づいて行ってください。

タイトルとURLをコピーしました