節約を習慣化する心理学|行動経済学で“貯められる自分”になる方法

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「節約しよう」と思っても継続できない、そんな経験はありませんか?

節約が続かないのは、実は意志の弱さではなく認知のクセのせいかもしれません。

本記事では、行動経済学の考え方をもとに、節約や貯金をムリなく習慣化する心理テクニックを紹介します。

「現在バイアス」「損失回避」「ナッジ理論」など、日常で実践できる知識ばかりです。

節約を無理なく続けたい方はぜひご覧ください。

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なぜ節約が続かない?行動経済学が明かす「3つの心理バイアス」

節約できないのは、あなたの意志が弱いからではありません。人間の脳に備わった“心理のクセ”が、知らず知らずのうちに行動を歪めているからです。

行動経済学では、こうした非合理な判断を生む心理バイアスを体系的に説明しています。

まずは節約を妨げる代表的な心理バイアスを3つ紹介します。

意志が弱いのではなく「現在バイアス」に負けている

人は「今の自分」を優先し「将来の自分」は後回しにしがちです。これが「現在バイアス」です。

例えば、ダイエット中なのにスイーツを我慢できずに「明日から我慢すれば、今日はいいか」と食べてしまう行動です。

このクセを理解することで、「今の自分」をどうコントロールするかを考えられるようになります。

「損したくない心理(損失回避バイアス)」が貯金を妨げる

人は「損する痛み」に強く反応します。この心理を「損失回避バイアス」と呼びます。

例えば、セールで「今だけ30%オフ!」と聞くと、本当は必要のない物でも「いま買わないと30%損する」と感じてしまうことがあります。

このバイアスが強いと、無駄な支出が増え結果として貯金が難しくなる原因にもなります。

損を避けたい気持ちがかえってお金を減らしてしまう、そんな逆説的な落とし穴に気づくことが、家計改善の第一歩です。

セールに釣られるのは「フレーミング効果」の罠

フレーミング効果とは、同じ情報でもその提示の仕方によって人々の判断や意思決定が変わる心理現象です。

①「今だけ2,500円!」
②「通常価格5,000円、今だけ2,500円!」

同じ2,500円という出費ですが、②は通常価格が追加されています。このような表現の違いだけで、お得に感じるのは②ではないでしょうか。

これが「フレーミング効果」と呼ばれる心理現象で、同じ事実でも“どう伝えられるか”によって人の判断が変わるというものです。

「2,500円の出費」と言われるとじっくり考えるのに、「5,000円の商品が半額」と言われるとお得な気がしてすぐ買ってしまう。このような“印象の違い”に私たちの心理は大きく影響されているのです。

必要なものかどうかより「安く買えたかどうか」に意識が向いてしまうと、かえって無駄遣いが増えることになります。

表現に惑わされず「自分に本当に必要な買い物か?」を冷静に見極めることが大切です。

”節約が続く人”の秘密|行動経済学で習慣化する3つのポイント

節約がうまくいく人と挫折する人の違いは、意志の強さではなく“続けられる仕組み”をどう作るかにあります。

行動経済学では、人が自然と行動を続けやすくなる仕組みを「習慣化」として設計する方法が重視されています。

ここでは、節約をムリなく続けるための心理テクニックと、具体的な取り入れ方を紹介します。

「デフォルト効果」で支出をコントロールする

「最初から選ばれていると、人はそれを変えずにそのままにしておく傾向がある」という現象が「デフォルト効果」です。

たとえば「職場の確定拠出年金で、最初から自動的に3%が拠出されている」と、多くの人はその設定を変えずに3%で続けます。初期設定が5%であれば5%のまま続けます。これがデフォルト効果です。

この心理を応用して、「毎月◯円を自動で貯金口座に移す」など“お金が自動で貯まるのが当たり前”の仕組みを作れば、節約は意識せずに続けられます。

ナッジ理論とは?習慣化のカギは”後押し”

行動を“そっと後押しする”のが「ナッジ理論」です。

ナッジ(nudge)とは、「肘で軽くつつく」という意味で、選択の自由を残しつつも望ましい行動へと導くアプローチのことです。

無理やり節約するのではなく、「気づいたら節約できていた」という状態をあえてつくるための心理テクニックをいくつかあげます。

スマホのトップ画面に家計簿アプリを配置する
毎日目に入ることで自然と開く回数が増え、支出管理が習慣化しやすくなります。

キャッシュレスでも「支払い通知」をオンにする
クレカやスマホ決済は“お金を使った実感”が薄れがちです。通知を出すことで支出が意識化され、使いすぎを防げます。

「ついで買い」コーナーを通らない動線を選ぶ
コンビニやスーパーの、レジ前の小物やお菓子は衝動買いを促すための企業側のナッジです。買い物動線を意識して、できるだけ寄らずに通り抜ける習慣をつけることで節約に繋がります。

このように無意識に影響されてしまう”ナッジ”を理解していれば、自然と効果的・合理的な行動を取れるようになります。

✅初心者でも使いやすい「シンプル家計簿」アプリの使い方はこちらの記事で詳しく紹介しています。

『行動経済学が最強の学問である』の学びとおすすめポイント

実は本記事で紹介した心理テクニックは、書籍『行動経済学が最強の学問である』からピックアップしています。

行動経済学の知識を生活に取り入れてみたい方や、節約や資産形成をもっとラクに続けたい方には特におすすめの一冊です。

企業側でも近年、行動経済学は重要視されていて、Google、Amazon、ネットフリックスといった大企業も取り入れていると述べられています。

そのためビジネスパーソンであれば、仕事をする上でも行動経済学の知識は必ず役立ちます。

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本書は、難しく感じがちな経済学や心理学を日常生活に応用しやすい形で解説しているのが特徴で、本記事で紹介した理論も含めて58もの理論をまとめてくれています。

まとめ|心理学を味方につけて、無理せずお金を貯めよう

節約は、ただ「我慢する」だけでは続きません。

行動経済学の知見を活用した「習慣化」や「ナッジ理論」を取り入れることで、無理なく自然な節約行動が身につきます。

今回紹介したような、日常生活にさりげなく取り入れられる心理的な工夫を活用して、ストレスなくお金を貯めることができないか試行錯誤してみましょう。

節約や貯金が続かない、そんな方こそぜひ本書の内容をぜひ活用してみてください。

心理学の知識が深まることで、節約や資産形成のモチベーションがさらに高まります!

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