日商簿記3級は、ビジネスパーソンや学生の間でも人気の高い資格のひとつです。
とはいえ、独学で本当に合格できるのか不安に感じ、受験をためらっている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、実際に平日フルタイムで働きながら簿記3級を独学で取得した筆者が、勉強法やコツを具体的に紹介していきます。
筆者は合計で約100時間の勉強を行いました。2級も受験するつもりだったため、ギリギリ70点確保して合格することではなく、内容を100%理解することを目的にしていました。
独学で合格を目指すうえで大切なのは、「独学勉強ツールの使い方」と「簿記の仕組みを理解する」こと。
この記事を読むことで、効率的な勉強法とコツを掴む手助けができればと思っています。
これから簿記3級に挑戦する方は、ぜひ参考にしてみてください。
独学で簿記3級に合格する合格時間は?
簿記3級に合格するために必要な学習時間の目安は、おおよそ70~100時間程度とされています。
ただし、これはあくまで一般的な目安であり、以下のような要素によって必要な時間は変わってきます。
- 簿記の前提知識があるかどうか
- 数字や計算に対して苦手意識があるか
- どのような教材・勉強法を使うか
- 合格ライン(70点)を目指すのか、満点を狙うのか
たとえば仕事で簿記に携わっていたり、財務諸表や勘定科目に見慣れていれば、かなり学習時間を短縮できる可能性があります。
筆者の場合、勉強期間は3ヶ月です。平日はフルタイムで働きながら、平日1日30分・土日は3時間ずつというペースで進め、週あたり約8時間を勉強にあてていました。
最低でも週に5時間以上は勉強時間を確保できると、記憶が定着しやすく、着実に合格ラインへ近づいていけると思います。
逆に週5時間以下になると、前回学んだ内容を忘れてしまったり、勉強することが習慣にならず、非効率になってしまいます。
独学におすすめの勉強ツールと使い方
簿記3級を独学で勉強する場合、主に以下の4つのツールを使いこなして効率よく知識を定着させます。
- テキスト
- YouTube動画
- 問題集
- WEB模擬試験
それぞれのツールには役割と使い方のコツがあり、うまく組み合わせることで理解が深まります。ここでは、これら4つのツールをどのように使いこなせばよいか、筆者の体験も交えて解説します。
テキスト(教科書)|進捗は見える化!
独学のスタートはやはりテキストから。テキストを使う際のコツは以下の2つです:
- 最初から100%の理解を目指さないこと
→最初は8割ほどの理解でOKです。細かいところにこだわりすぎず、まずは全体の流れをつかむことを優先しましょう。 - 進捗を“見える化”すること
→全体が何ページで、今どこまで進んでいるのかをメモしておくと「進んでいる感覚」が得られます。学習のテンポが維持しやすく自然とモチベーションも上がります。
まずは1周ざっと読み進め、「なんとなくわかる」状態に。そこから動画視聴で後追いして、記憶と理解を深めていく流れがおすすめです。
筆者が使っていたテキストはTAC株式会社「よくわかるシリーズ」の、日商簿記3級合格テキストです。
サイズはやや大きめですが厚みがなく、見開きで広げたときに閉じにくいため非常に見やすいです。
さらに簿記のテキストは、図解や財務諸表の全体像を掲載することもあり、その際は広いスペースを使うため、1ページあたりの情報量が多い方が理解しやすく効率的に学べます。
YouTube動画視聴|隙間時間を有効活用
簿記の学習は電卓を片手にテキストやノートを広げて本格的に取り組む時間がどうしても必要ですが、YouTube動画であれば、通勤時間などの隙間時間を活用できます。
特に、簿記の勉強で重要な「借方○○/貸方○○」の読み上げを繰り返し聞くことになりますので、用語や仕組みが自然と頭に入り、読み上げにも慣れることができます。
暗記が必要な部分を補完しつつ、聴き流しで飽きずに学習を続けられるのも動画視聴の大きなメリットです。全体の勉強時間のうち2割程度は、動画視聴で十分です。
筆者が実際にお世話になった簿記系YouTubeチャンネルはこちらです。
✅【簿記・会計】公認会計士たぬ吉の資格塾
勘定科目ごとのポイント(出題されやすい論点)を押さえてくれていることに加えて、聴くだけの仕訳問題など動画の種類が充実しています。
特に勘定科目ごとの解説は、テキストの流れともリンクしていて、聴き流しで復習できてしまいます。
問題集|大きいサイズの本がおすすめ
問題集は最初から解こうとせず、テキストと並行して「読む」ように使うのがおすすめです。
解答を見ながら仕訳や流れを確認し「どんな論点が、どのように出題されるのか」とイメージを掴むことから始めましょう。冊子に直接書き込まず、何周もできるようにしておくのがポイントです。
テキストを一通り読み終えて全体像が見えてきてから本格的に問題を解いていきましょう。
筆者が使ったのは、先ほど紹介したテキストと同じシリーズの「合格トレーニング」です。設問ごとに「テキストの何ページか」が記載されているので、テキストと問題集はセットがおすすめです。
簿記の学習では問題文がページをまたいでいたり、解答欄が狭かったりするととても煩わしく感じます。
しかしテキスト同様にサイズがやや大きめで、精算表や財務諸表を丸ごと解く問題でも、スペースに余裕があって見やすい点が良かったです。仕訳の記入欄も広くて書きやすく、テキスト以上に1ページの広さが活きています。
WEB模擬試験が1回分付いていたことも決め手のひとつでした。
WEB模擬試験|本番形式で挑戦!
簿記3級試験は『ネット試験(CBT方式)』で受験する人が多いと思います。
パソコンでの解答に慣れておくことが非常に重要です。どれだけ知識があっても、操作に戸惑って時間が足りなくなってしまうともったいないです。
筆者が使ったテキストには本番形式のWEB模擬試験が1回分ついており、本番と同じ画面レイアウト・時間制限で疑似体験ができました。これは本当にありがたく、時間配分の感覚や入力の順序などを確認するのに役立ちました。
模試を受けることで、「どの問題で時間がかかるか」「計算の順序をどうすべきか」「満点を狙うならどこを正確に解くべきか」といった自分なりの戦略を立てるヒントにもなります。
ただしWEB模擬試験は数が限られますので、早い段階から受ける必要はありません。テキストや問題集を一通り消化した段階から、模試を挟んでいきましょう。
【無料WEB模試】簿記3級の無料でできるWEB模擬試験を紹介
ここでは本番のネット試験とそっくりな環境で挑戦できる、簿記3級の無料WEB模擬試験を提供しているサイトを2つ紹介します。
(2025年7月時点の情報です。終了していた場合はご容赦ください)
✅【CPAラーニング】日商簿記3級 ネット模擬試験

(CPAラーニング様 日商簿記3級ネット模擬試験入口)
どちらも簡単な会員登録だけで無料で利用することができます。両サイトでそれぞれ3回分を提供してくれていますので、合わせて6回分の模擬試験に挑戦することができます。
テキストと問題集を一通り理解したあとで、定期的に挑戦して現時点の実力を確認しましょう。理解が浅い点が明確になったり、本番の出題形式に慣れることができます。
初見の模擬試験で85点以上取れるようであれば、問題なく合格できるでしょう。
まとめ|簿記3級は独学で十分合格可能!
簿記3級は、社会人でも学生でも、独学で十分に合格できる資格です。この記事では筆者自身の経験をもとに、効率よく学べる勉強ツールとコツを紹介しました。
簿記3級の独学は「毎週少しずつでも継続すること」と「理解重視の勉強法」が成功のポイントです。週5時間以上の勉強が習慣にさえなってしまえば、あとは継続するだけで必ず合格できます。
さらにYouTube動画や無料WEB模擬試験といった、手軽に使えるオンラインツールを活用することで、独学でも効率的に学習を進めることができます。
資格の勉強は、最初は不安がつきものです。勉強なんて学生以来という人もいるでしょう。それでもこの記事を読んで、「自分にもできるかも」と思えたのであれば、きっと合格への第一歩になります。
ぜひ今日から始めてみてください!