年金はいくらもらえて、そして何年で元が取れるのかご存じでしょうか。
年金は払っても損などと言われたりもしますが、実はそんなことはありません。
今回は国民年金の支払う金額ともらえる金額、元が取れるまでの期間を見ていきます。
国民年金とは
一般的に年金というと国民年金と厚生年金を指すことが多いです。
20歳から60歳まで全員が支払っているのが国民年金、会社員で社会保険に加入している人が支払っているのは国民年金+厚生年金と考えてください。
国民年金 | 全員 | 収入に関係なく、支払い額も受給額も定額 |
厚生年金 | 会社員 | 収入が増えると、支払い額も受給額も増額 |
今回は国民年金について説明します。
何年もらえば元が取れる?
ここで先に結論ですが、国民年金は10年とちょっとで元が取れます。基本は65歳からもらい始めるので、75歳まで生きれば損しないことになります。
平均寿命は男性81歳、女性87歳です。ただし、これは若くして亡くなる方も含まれています。65歳を迎えた方に限った平均寿命は男性86歳、女性は90歳といわれています。
75歳以降の受給額はすべて儲けと考えると、意外とお得ですね。
支払い額はいくらなのか
では国民年金の支払額はいくらになるか見ていきましょう。
2022年度は毎月16,590円でした。これを20歳から60歳までの40年間、480ヶ月分を支払います。
毎月16,590円 × 480ヶ月分 = 7,963,200円
つまり国民年金の支払額は、およそ800万円ということになります。
国民年金でもらえる金額
次にもらえる金額です。2022年度は年間777,800円でした。月額に換算すると65,000円弱ですね。
FPの勉強をしていて初めて知ったときは、少なさに驚いて二度見しました。これだけではとても暮らせません。
なので他の年金や投資を駆使して月額を増やしていくことが、老後の準備になるわけです。
満額支払っていない場合の計算
では支払っていない月がある場合はどうなるかを見ていきます。
最終的に支払った月が120ヶ月よりも少ない場合は・・・1円も支給されません。ここは払い損になってしまうので注意が必要です。
120ヶ月~480ヶ月分を支払った場合、満額の受給額を480で割って、支払った月数を掛けると求められます。
満額の受給額 ÷ 480ヶ月 × 支払った月数
■例:400ヶ月分を支払った場合(80ヶ月分を支払わなかった場合)の年間受給額
777,800円 ÷ 480 × 400 = 648,167円
10年ちょいで元が取れる点は変わりありません。
支払った月数の確認
「払ったかどうか覚えていない」なんて人もいるかもしれませんので、ついで確認方法も書いておきます。
①ねんきん定期便
毎年の誕生日くらいに「ねんきん定期便」というハガキが届きます。その中に記載されていますが、住所変更をしていないと届かないこともあります。届いていない、見方がわからないあるいはこの記事を読んで滞納した分を払いたいなんて場合は次の方法をどうぞ。
②年金事務所で確認
確認しつつ係の人に質問もできるので、こちらがおすすめです。調べてみると意外と近くにあるかもしれません。身分証、印鑑、年金手帳、マイナンバーカードのうちあるだけ持っていってみましょう。
滞納分の納付期限は基本2年間ですが、間に合えば納めることを推奨します。全て支払っているつもりでも、転職の合間なんかで未納が発生しているかもしれません。
まとめ:年金はいくらもらえる?
今回は国民年金について説明しました。
さっくりまとめると支払い額は40年で800万円、もらえる額は毎年78万円、元を取るまでは10年です。意外とお得に感じたのではないでしょうか。
ちょっとだけ補足をすると、年金といえばこの記事で説明したような老後の受給を想像するかと思いますが、障がいを負った場合や死亡時にも補償があります。
少子高齢化で年金の未来も明るいとは限りませんが、それでもファイナンシャルプランナーとしては、国民年金をしっかりと支払っておくことをおすすめします!