NISA口座と特定口座の違いは?NISA口座のデメリットも解説。

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2023年まではNISA口座の上限金額が低く、投資をするときは特定口座での運用がスタンダードでした。

2024年からは上限金額が1,800万円になり、今後は「投資はNISA口座だけ」という人も増えるかもしれません。

NISA口座で1,800万円まで非課税で運用できるので、それ以上に資金がないと特定口座の出番は無いように思われますが、特定口座の方が優れている点(=NISA口座のデメリット)もあります。

今回はNISA口座と特定口座の違いを解説します。

証券口座の種類

証券会社の口座は4種類あり、それぞれ確定申告の要不要が変わってきます。

①一般口座

一般口座は確定申告が必要です。文字通りに一般的だったのは昔の話で、上場している株式や投資信託に投資するのであればメリットは特にありません。

一般口座は選択しないと考えて大丈夫です。

②特定口座(源泉徴収なし) ③特定口座(源泉徴収あり)

特定口座は源泉徴収の有無によって2種類あります。

源泉徴収ありの特定口座は、利益の20.315%が自動的に納税され確定申告の必要がなくなります。

源泉徴収ありを選んでも確定申告することはできますので、源泉徴収なしにする理由は特にないでしょう。

NISA口座で投資をする場合を除いて、特定口座(源泉徴収あり)を選びましょう。

④NISA口座

NISA口座は非課税で、確定申告は不要です。

他の口座と比べてメリットが大きいので、基本的には上限まではNISA口座を利用するということになります。

ただしNISA口座は証券会社の変更手続きが手間なので、どの証券会社で口座を作るか慎重に検討しましょう。

NISA口座のデメリット

恩恵の大きいNISA口座ですが、源泉徴収ありの特定口座と比較したときに3点のデメリットが挙げられます。

  • 購入商品の制限
  • 投資金額の上限
  • 損失が出たとき

購入商品の制限

NISA口座では購入できる投資商品に制限があります。

例えば設定から日が浅い投資商品や、レバレッジ型の投資信託は対象になっていません。これがつみたて投資枠になると、さらに限定されます。

投資初心者にとってはハイリスクな投資先を回避できるメリットと考えることもできますが、選択肢が狭くなる点はやはりデメリットといえます。

投資金額の上限

NISA口座は投資できる金額に2つの上限があります。

元本は ①年間360万円 ②合計1,800万円 までで、これは大きなデメリットです。

上限までの投資ができない場合は特にデメリットにはなりません。しかし資金が多いときには、NISA口座だけでは投資できないということです。

1,800万円はないとしても「余剰資金は1,000万円あるけど年間360万円の上限を超えて入金できない」ような状況では、しばらくのあいだ特定口座での運用を検討する必要があります。

ちなみにNISA口座から売却した場合は、取得時の価額分の枠が翌年復活します。

損失が出たとき

最後に、損失を確定させることになってしまうとNISA口座のメリットが一切なくなり、逆にデメリットが発生するので注意が必要です。

株式投資は(配当や売買の)利益と損失が出た場合は、基本的に損益通算ができます。損益通算とは利益が出て税金がかかるとき、他方で損失が出ていると相殺できるということです。

さらに、相殺しきれないときは損失を翌年以降に繰り越すことができます。

しかしNISA口座は非課税のため、利益に税金はかかりませんが損失が出たときに相殺することもできません。NISA口座はプラスだけではなくマイナスも、税務上なかったものとみなされるのですね。

例として特定口座の利益50万円に対して10万円納税しながら、NISA口座で50万円の損失が出ている状況で考えると、損益は差し引き0円にもかかわらず10万円の税金がかかってしまいます。

まとめ:NISA口座と特定口座

今回はNISA口座と特定口座の違いについて解説しました。

源泉徴収ありの特定口座は、利益に20.315%の税金はかかりますが細かい制限はなく投資することができます。

NISA口座は非課税という大きなメリットがある反面、金額や投資対象に制限があり、もし損失を出してしまった場合に相殺できないというデメリットが発生します。

どう投資をするかは個人の判断ですが、特定口座とNISA口座を使い分けるのであれば

  • NISA口座では比較的リスクの低い投資信託
  • 特定口座では比較的リスクの高い個別株

例えばこんな運用になるでしょうか。

とはいえNISA枠を使い切るまでは、基本的にNISA口座での投資が優先で大丈夫です。

それぞれの口座の特性をしっかりと理解して、資産形成を進めていきましょう!

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