簿記とFPどっちが難しい?【3級・2級】難易度と選び方

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資格・検定
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節約やお金の知識を身につけたいと思ったとき、まず候補に挙がるのが「簿記」や「FP(ファイナンシャルプランナー)」の資格です。

この2つはお金に関する資格の中でも特に人気が高く、初心者にも選ばれやすい資格です。

「簿記とFP、どっちを先に勉強するべき?」「すでに簿記(またはFP)を取ったけど、もう一方も気になる」——そんな方に向けて、実際に簿記2級とFP2級を取得した筆者が、それぞれの難易度・勉強時間・学習内容の違いを比較します。

どちらの資格が自分にとって有益か判断したい方はもちろん、すでに一方を取得済みで、もう一方を検討する方にも判断材料になるはずです。

今回は『簿記=日商簿記』と『FP=ファイナンシャルプランニング技能士』の2つの資格を比較解説します。

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簿記とFPの違いをざっくり比較

日商簿記2級・3級は、企業や個人事業主のお金の動きを「帳簿」に記録し、財務状況を明確にするための知識を学ぶ資格です。

主に会計・経理分野で役立つスキルで、仕訳や財務諸表の作成、原価計算などが学習内容に含まれます。3級で事務の基礎知識を習得でき、2級以上は転職や実務でも高く評価されます。

なんの役に立つの?と疑問に思う人もいるかもしれませんが、この簿記の仕組みは世界共通で、会計の世界の「共通言語」といえます。

言語がわからない人とは会話ができないですよね。そのぐらい簿記は重要です。

一方、ファイナンシャルプランニング技能士2級・3級は、お金に関する日常の幅広い知識を学びます。

具体的には「年金」「保険」「税金」「資産運用」「不動産」「相続」と、人生設計に関わる6つの分野を横断的に学習し、家計管理や節約、資産形成、ライフプランの見直しなど実生活で役立つ知識を習得できます。

FP試験で勉強する知識の一部、たとえば年金や所得税の仕組みは「なぜ義務教育で勉強しないのか」と思うほど必須知識です。

どちらも日常生活や仕事において、重要度は高い知識が身に付きます。

合格率・合格点の違い

資格の難易度を測る上で気になるのは合格率です。まずは簿記とFP各級ごとの合格率と合格点を見みましょう。

合格率3級2級合格点
簿記50%30%正答率7割
FP80%50%正答率6割

受験年度や試験形式で多少の差はありますが、およそこのような合格率となっています。

合格点は絶対評価のため、過去には受験するタイミングによって問題の難易度(=合格率)に差があり、その点は運要素でした。

現在は全てCBT形式(WEB試験)で受けられますので、試験問題は常にアップデートされているため、難易度のムラは少ないと考えられます。

簿記の方が正答率が高く求められる分、合格率としては低くなっています。

勉強時間の目安を比較【3級・2級】

次に簿記とFPの勉強時間の違いを見てみましょう。一般的に言われている勉強時間の目安は以下の通りです。

勉強時間3級2級 ※3級合格後
簿記100時間200時間
FP80時間150時間

合格点に余裕を持って、簿記であれば80点、FPであれば75点を目指すぐらいの勉強時間と考えてください。

仕事で携わっているなどして部分的に前提知識があれば、ここからもう少し短縮できます。

フルタイムの社会人であれば、1日1時間ペースぐらいが現実的に確保できる勉強時間と考えると、
どちらの資格も3級でおよそ3ヶ月、2級はさらに半年程度かかることになります。

勉強内容の違い【暗記型と理解型】

簿記とFPはどちらも「お金」に関する資格ですが、実際に学ぶ内容や勉強のスタイルには大きな違いがあります。筆者の実体験から感じた一番の違いはFPは暗記中心、簿記は理解が重要という点です。

FPは「広く浅く」暗記がメイン

FP試験では、6つの分野を幅広く学びます。

  • ライフプランニングと資金計画
  • リスク管理(保険)
  • 金融資産運用
  • タックスプランニング(税金)
  • 不動産
  • 相続・事業承継

基本的に日常生活に関係のある論点なので、「聞いたことがある情報」「知っておくと得する情報」がところどころにあり、取り組みやすいです。

試験対策としては暗記が中心になりますので、テキストを開いて試験勉強を始めたタイミングでは途方もなく感じてしまうかもしれません。

とはいえ6割の正解で合格できることに加えて、3級の問題は全て2択か3択、2級でも4択問題が大半で、まぐれ当たりもある点で難易度が下がります。

勉強スタイルとしては、YouTubeの聴き流しなどの時間を確保しやすい人におすすめといえます。

簿記は「仕組みの理解」が重要

一方、簿記は帳簿のつけ方や決算書の仕組みを理解するための資格で、暗記よりも仕組みの理解が重要になります。

  • 「借方・貸方」の概念
  • 勘定科目の使い方
  • 決算整理仕訳の意味の理解
  • 工業簿記の仕組み(2級)

これらは単に覚えるだけでは解けず、なぜそうなるのか?なぜその計算をするのか?という仕組みを理解できないと応用が利かずつまずいてしまいます。

筆者も最初は仕訳の意味が分からず苦労しましたが、帳簿の流れがつながって見えてきたあたりから、簿記の楽しさを感じ始めて勉強が捗りました。

聴き流しなどながらで出来る勉強は限られ、勉強時間の大半は、電卓片手に座学で行う必要があります。

論理的に考えることが得意で、理解力が高い方は簿記向きです。加えて、理解できない論点があっても気軽に質問できる人がいるとかなり有利になるでしょう。

目的別|簿記とFPどっちがおすすめ?

前提として、どちらも勉強して損はなく実生活にもキャリアにも役立つ知識です。

「暗記が得意」「数字に強い」など自分の得意・不得意や、「将来の方向性」で選ぶと失敗しにくくなります。

どちらか決められない人は、試しにテキストやYouTubeの講義動画に触れてみて、興味を持てる方をおすすめします。

実務・転職・投資に活かしたいなら簿記

簿記は、企業の経理・事務職で高く評価される資格です。

特に2級以上は、求人票でも「歓迎資格」として明記されていることが多く、就職・転職の際にスキルとして直接アピールできます。

また、新卒で就職する場合に事務職が希望であれば、簿記を取得しておくことで事務職に配属される可能性が高まります。

会計の知識は他にも、株式投資をする上でとても有益です。

「実務で使える資格を取りたい」「会計に強くなりたい」という方には簿記がおすすめです。

日常生活・家計改善に活かしたいならFP

FP資格は、社会保険、税金、資産形成など、日常生活に密着したお金の知識を得られる点が大きな魅力です。

さらに他の資格(宅建・社労士・税理士・証券外務員など)とも関連性が高く、FP資格を足がかりにステップアップしたいという方にも向いています。

「生活に役立つ知識が欲しい」「いろんな資格にチャレンジしてみたい」という方にはFPがおすすめです。

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筆者の体験談とおすすめの順番

筆者自身は FP3級 → FP2級 → 簿記3級 → 簿記2級 の順に取得しました。最初にFPを選んだ理由は「勉強に不慣れでもやりやすそう」と思ったからです。

FPは試験範囲が広いものの、暗記中心で、無料の動画講義や過去問アプリなど学習ツールが非常に充実しています。

テキストやノートを開かなくても、YouTube講義やスマホアプリで学べるため、「机に向かって勉強するのは気が重い…」という人でも取り組みやすいです。

一方で簿記は、電卓を使いながら理解を積み上げる「座学中心の勉強」になります。仕訳や決算の構造を理解する必要があり、慣れないうちは「なぜこうなるの?」と悩む時間も多くなります。

そのため、勉強習慣がまだ身についていない人にとっては最初のハードルが少し高めです。

この経験から言えるのは、勉強のブランクがある人・社会人になって久しぶりに勉強する人にはFPからが圧倒的におすすめということです。

もちろん、経理職や会計に興味がある人は簿記から始めても構いません。もし「どっちから始めようかな」と迷っているなら、FPで勉強のリズムをつかんでから簿記へ進むのが無理のない順番です。

まとめ|どちらもお金の基礎。まずは興味を持てる方から

簿記とFPはどちらも「お金の基礎」を身につけられる資格ですが、それぞれに向いているタイプがあります。

✅ 簿記に向いている人

  • 数字や計算が得意
  • 座学の時間を確保できる
  • 会計・経理など事務職への就職を目指している
  • 株式投資に活かしたい
  • 上位の会計資格(日商簿記1級、税理士など)にステップアップしたい

✅ FPに向いている人

  • 節約や家計改善など日常生活に活かしたい
  • 保険や年金、投資などお金全般に詳しくなりたい
  • 暗記が得意
  • 通勤中などながらの勉強時間は確保しやすい
  • 他の資格(宅建・証券外務員など)にも興味がある

資格の勉強は知識以上に“自信”も得られます。まずは興味を持てた方から、気軽に始めてみましょう!

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