- 証券外務員資格は個人でも取得可能|最初から一種資格取得がおすすめ
- 有効期限や維持費は実質なし(登録更新は金融機関に所属時のみ)
- 学生~第二新卒なら金融機関の就活で評価されやすい
- 投資知識の底上げに最適
- 勉強時間は一種資格で60時間が目安|投資経験があればさらに有利
証券外務員という資格をご存じでしょうか。
「金融機関に勤めていないと取れないのでは?」
「個人で取得して意味はあるの?」
こうした疑問を持つ方も多い資格です。
結論から言うと、証券外務員資格は個人でも取得可能で有効期限や維持費も実質ありません。
金融商品を顧客に勧誘・販売するための必須資格なので、金融機関では基礎資格として重視されており、投資知識の底上げにも役立ちます。
本記事では、証券外務員一種を正答率90%以上で合格した筆者が、個人で取得するメリットや有効期限、注意点を解説します。
証券外務員資格とは|試験概要と種類の違い
証券外務員資格試験は、日本証券業協会が実施する金融機関向けの資格試験で、「一種」と「二種」に分かれています。
二種外務員資格は、株式・債券・投資信託など基本的な金融商品を扱うための資格で、金融業界の入門的な位置づけです。
一方、一種外務員資格は二種の出題範囲をベースに、信用取引や先物・オプション取引といったより高度な金融商品や実務的な内容が追加された資格です。
外務員制度上は一種を保有することで、二種外務員資格で認められている業務範囲もすべてカバーできます。
最終的に一種の取得を目指すのであれば、二種を経由せず最初から一種の受験が筆者としてはおすすめです。
試験はPCを使ったCBT方式で実施され、〇✕問題と五肢選択問題が出題されます。
一種外務員試験は100問・440点満点で、7割以上(308点以上)の得点が合格基準です。
予約さえ取れれば自分のタイミングで受験することができますので、この点も気軽に挑戦しやすくなっています。
参考:日本証券業協会 外務員資格試験
個人で証券外務員資格を取得するメリット

金融機関で勤務する上で合格必須の証券外務員試験ですが、現在は一般人にも開放されていて、個人で取得するとしても大きなメリットがあります。
キャリアチェンジやスキルアップに活用
証券外務員一種資格を取得することで、将来的なキャリアチェンジやスキルアップの可能性が広がります。
現在金融業界とは異なる分野で働いているとしても、将来的に金融業界への転職を検討している場合、事前に証券外務員資格を取得しておくことは大きなアドバンテージとなるはずです。
実際に銀行や証券会社の中途採用求人を見ると、「証券外務員資格を保有していること」を応募条件としているケースも少なくありません。
もっとも、こうした求人は業界経験者向けであることが多く、資格があれば未経験でも転職できる、という意味ではありません。
それでも金融業界では、証券外務員資格は「保有していて当然の資格」として扱われているのが実情です。
未経験であっても、現在の職種で培ったスキルに外務員資格を加えることで金融業界への道が開けるかもしれません。
投資知識の底上げに最適
証券外務員の受験を通じて得られる知識は自身の投資活動と資産運用に確実に役立ちます。
株式、債券、投資信託といった基本的な金融商品に加えて、信用取引、先物・オプション取引、外国証券といったより高度な金融商品の仕組みやリスク、リターンについて学習することができます。
日常的に投資をしている人でも、例えば信用取引の証拠金や、先物取引の仕組み、オプションの有効活用など意外と熟知していないこともあるのではないでしょうか。
こうした難易度の高い投資知識についても体系的に身に付けることができます。
また、金融商品取引法などの関連法規について学ぶことは、不適切な勧誘や詐欺から身を守ることに繋がります。
証券外務員資格の有効期限と維持費
よくある疑問の1つが有効期限ではないでしょうか。筆者も受験を検討するにあって気になって部分です。
有効期限をネット検索すると「5年」と出てくるので紛らわしいですが、これは金融機関で外務員登録をした場合の更新期間です。
証券外務員資格そのものには有効期限はなく一生モノの資格です。
個人で資格を取得するだけであれば、更新手続きや維持費を気にする必要もありません。
不正行為による取消処分はこの限りではありませんが、一度資格を取得すれば基本的にずっと有効なので、心配せずトライしてみましょう。
ただし、この資格を使って実際に外務員として金融商品の販売や勧誘業務を行うためには、金融機関に所属して外務員登録を行うことが前提です。
個人で資格を取得しただけでは、外務員としての業務を行うことはできないことは覚えておきましょう。
証券外務員一種の難易度と勉強時間の目安
一種外務員試験の最近の合格率は以下の通りです。
- 2024年度:73.0%(受験者6,903名、合格者5,038名)
- 2023年度:71.3%(受験者5,886名、合格者4,199名)
受験者のうち30%弱が不合格になります。
ただ勉強不足の人も一定数いるため、問題集を繰り返し解き、9割正答できるレベルまで仕上げられれば高い確率で合格できるはずです。
勉強期間は1日1時間程度のペースで、2ヶ月から3ヶ月が一般的でしょう。
60時間~90時間もあれば9割以上の知識を習得でき、高得点で順当に合格できると考えられます。
合格だけを目指すなら7割正答でOKなので、早めに受けてみてもいいかもしれません。
ツールはテキストと問題集が1冊ずつあれば十分で、おすすめ教材はこちらです。
まとめ|証券外務員資格で金融知識を身につけよう
今回は証券外務員資格について簡単に解説しました。
証券外務員資格、特に一種を取得することは、スキルアップや資産運用のために非常に有意義です。
受験はWEB試験のため、試験日が固定されておらず、準備が出来たら自分のタイミングで予約をして受けることができます。ただ実施日が平日のみになりますので、その点は注意が必要です。
金融業界の専門資格ということでハードルが高く感じるかもしれませんが、もし興味を持ったら、迷わず挑戦してみてください!



